いつの時代も心を揺さぶられるのはスポーツ漫画です。
様々な切り口から多くの名作とも言えるスポーツ漫画が誕生してきましたが、その勢いは衰えることなく、未だに多くの名作が誕生していると言っても過言ではありません。
今回は数多くのマンガを読んできた私が、今まで読んできたスポーツ漫画をサッカー、野球、バスケ、バレー、テニス、格闘技などジャンル毎に厳選して、あえてランキング形式にはせずに紹介したいと思います。
※完結している作品については巻数を記載していますが、kindle版があるものはkindle版、kindle版がないものは全てコミックのもので統一しています。
※連載中、完結済みの区別は一切なし。
スポンサーリンク
Contents
サッカー
GIANT KILLING(連載中)
弱小プロサッカークラブETUの監督に就任した達海が、次々とGIANT KILLING(弱者が強者を打ち負かす)を巻き起こします。
卓越した観察力を武器に相手の意表を突く戦略と、大きな戦力差をひっくり返していくその姿はまさに圧巻と言えるでしょう。ハラハラ・ワクワクさせるような描写が秀逸に描かれている、最高峰のサッカー漫画と言っても過言ではありません。
どちらかと言えば「やや大人向け」のマンガだと思いますが、サッカーファンやサッカーを楽しみたい人なら必読の一作です。
【関連記事】
サッカーの見方が変わるマンガ『GIANT KILLING』のススメ
アオアシ(連載中)
ユースのサッカーにスポットが当たっているサッカー漫画ってだけでも興味深いのですが、絵も綺麗で読みやすいですし、主人公が持ってる熱量もアツくていいですね。やはり、多少の人間臭さがある主人公でないと。
主人公は傲慢な俺様ストライカーかと思いきや、フィールドのすべてを見ている視野の広さが武器というアプローチも面白いです。困難にぶつかっても努力と持ち前の明るさを持って立ち向かう姿は、素直に応援したくなります。
主人公も愛されキャラですし、練習で成長していく姿が見て取れるので、読んでいて気持ちがいいですよ。今後ますます面白くなっていくであろうサッカー漫画です。
アオアシ 第1巻
BE BLUES!~青になれ~(連載中)
最初は「サッカーに一途な少年を中心とした、ありがちな青春スポーツ漫画」だと思っていましたが、それは大きな間違いでした。スポーツに懸ける熱量もさることながら、本作品には多くの困難が描かれていて、一言で言い表すなら重いと言うんでしょうか…。
通常のスポーツ漫画とは困難のベクトルが少し違うような気もするのですが、それも本作品の魅力の1つなんですよね。「闇の部分が暗ければ暗いほど、光もまた輝く」というような、魅せ方が非常に上手い作品です。
BE BLUES!~青になれ~ 第1巻
フットボールネーション(連載中)
熱量だけで言えば、間違いなく低い作品だと思います。ガンガン引き込まれていくというよりも、むしろ淡々と読まされるという表現に近いかもしれません。
作品の内容紹介の「脚の綺麗な選手求む」という言葉にもあるように、今までのサッカー漫画とは根本的に視点が違う作品と言えるでしょう。科学的なことも書かれているので「リアル志向のスポーツ漫画が読みたい!」という方におすすめしたい作品です。
フットボールネーション 第1巻
さよなら私のクラマー(連載中)
私は女子サッカーに全くと言っていいほど興味が無かったのですが、本作品を読んでからは「女子サッカーも面白そう!」という考えに変わりました。
「なんで私は女の子なんだろう」的なスタートに始まり、そこはやや既出感があるものの、主人公がいたずらに男勝りなプレイヤーというわけでもなく、読んでいて応援したくなってきます。幼少の頃にいつも一緒にボールを蹴っていた男子たちが、どんどん大きくなっていくことに対する葛藤などのドラマも見逃せません。
【関連記事】
『さよならフットボール』を読んで、女子サッカーという競技に興味が湧いた
DAYS(連載中)
サッカーの初心者である主人公が、今まで経験したことのない部活動の場で、一生懸命サッカーに取り組む姿を描いた青春スポーツ漫画です。特筆すべきは「主人公に嫌味がない」という点でしょうか。サッカー漫画において我が強くない主人公ってあまりいないので、それが非常に新鮮ですね。
kindleレビューでは「雰囲気スポーツ漫画」や「薄っぺらい無茶なスポーツ漫画」という辛辣な意見も並べられていますが、基本的には努力は必ず報われるという流れのサッカー漫画なので、現役のサッカー少年におすすめしたい作品だと言えるでしょう。
良くも悪くも「やっぱ、マンガだなぁ」と思ってしまう内容ですが、主人公を応援せずにはいられません。
DAYS 第1巻
ANGEL VOICE(全40巻)
「ケンカでだったらバルセロナやレアル相手でも楽勝だろう!!」から始まる、喧嘩最強で素行が良いとは言い難い面々が登場する前代未聞のサッカー漫画です。
不良少年がスポーツに目覚めるという一種のありがちな展開のようにも思えますが、それぞれのキャラクターの個性も良く、その世界観は唯一無二と言っても過言ではありません。
やっぱ不良が登場人物ってことで、熱量は相当なものですよ。譲れない気迫みたいなものも感じますし、とにかく熱いサッカー漫画が読みたいという人には文句無しにおすすめです。監督の人間性やチームメイト同士のドラマなど、見所はたっぷりあるので、読んだことがない方には是非とも読んで欲しいと思います。
ANGEL VOICE 第1巻
ファンタジスタ(全25巻)
ありがちなスポ根マンガでもなければ、魔法みたいな技も出てきません。純粋なサッカー漫画として非常にクオリティーの高い作品だと思います。それでいて少年漫画としての読み応えもあり、子供がサッカーをやっていたら、ぜひ読ませたいマンガですね。
サッカー理論も織り交ぜながら楽しく読めるのは、このマンガの醍醐味と言えるでしょう。徐々に大きくなっていく舞台も非常に大きな魅力です。
ファンタジスタ 第1巻
ホイッスル(全15巻)
努力・友情・勝利がすべて織り込まれていて、良くも悪くも少年向けのサッカー漫画という立ち位置でしょう。爽やかさと成長の加速度がハンパ無い。
キャラクターの魅力や仲間との絆など、サッカー漫画として秀でている部分も多いので、総合的には面白い作品だと思います。人によって評価が大きく分かれすぎているというのも面白いですね。個人的にはこの疾走感、好きですよ。
ホイッスル 第1巻
1/11 じゅういちぶんのいち(全9巻)
「こんなマンガは見たことがない!」と思うくらい、色んな意味で衝撃的なサッカー漫画でした。サッカー漫画というよりは、サッカーを通じて描かれる人間ドラマに近いかもしれません。
主人公をとりまく仲間たちが、それぞれの視点で物語を進めていく1話完結型の作品です。非常にテンポ良く話が進んでいくのも魅力的ですね。サッカーを知っていなくても普通に楽しめると思いますし、何よりも男女問わず堪能できるマンガと言えるでしょう。普通に泣ける。
1/11 じゅういちぶんのいち 第1巻
野球
バトルスタディーズ(連載中)
野球の場面といい普段の寮生活といい、甲子園の名門校ならではの厳しい上下関係や、それを取り巻く環境など…全てが新しい野球漫画です。かつて野球の超名門校だったPL高校が舞台になっているようですね。
「悪しき風習」と捉えるか「体育会系ならではの習慣」と捉えるかは人それぞれでしょうが、高校野球経験者はもちろん、運動部に所属していた方なら共感できる部分も多いでしょう。
私自身、かつてのPL常勝時代を支えた名選手が「当時はこんなことが辛かった」と語っているようなバラエティ番組が好きなのですが、そういうのが好きな人なら文句無しに楽しめます。
バトルスタディーズ 第1巻
BUNGO(連載中)
不器用ながらも努力家で熱血的な主人公が、徐々に成長していく姿が大きな見所の野球漫画と言っていいでしょう。「生まれ持った才能」というよりは「反復練習で身に付けた武器」という意味合いが強いので、ちょっとアクの強い主人公なのにも関わらず嫌味がありません。
「最強の素人」から主人公がどう成長していくかのプロセスが非常に面白い作品だと思います。
BUNGO 第1巻
WILD PITCH!!!(連載中)
多くの野球マンガは甲子園での活躍にスポットが当てられていたり、プロならプロに特化した作品が多いのですが、本作品は何と高校野球に始まり、独立リーグを経てプロ野球に参戦する流れを描いた、野球マンガの中でも異端的な存在の作品です。
最初は独立リーグという独特な視点から描かれていて、非常に面白みのある野球マンガでした。ストーリーが進むにつれて、良くも悪くもよくある感じのプロ野球マンガとなっていきます。
個人的には独立リーグの空気感やトライアウトの厳しさみたいなものをもっと見ていたかった気もしましたが、ラストイニングを描いた中原氏の手腕に期待している作品です。
※残念ながら打ち切り(?)で、これから盛り上がりそうって時に終わってしまいました。最初は面白かったんですけど、途中ちょっと伸び悩んだ感があったのが残念です。
WILD PITCH!!! 第1巻
ダイヤのA(全47巻)&ダイヤのA act2(連載中)
どちらかというと友情に重きを置いた野球漫画で、粗削りながらもダイヤの原石とも呼べる才能を持った主人公が、名門高校に入学して甲子園を目指す姿が眩しいくらいに描かれています。他の野球漫画と大きく異なるのは「主人公がべらぼうに強いわけではない」という点と「名門高校で甲子園を目指す」という点です。
所々に登場するギャグ要素や、ある種の萌えキャラのような登場人物については賛否両論ありそうですが、細かい絵のタッチも綺麗で非常に読みやすい野球漫画だと思います。
ダイヤのA 第1巻
おおきく振りかぶって(連載中)
私にとって、絵の感じが好きになれずに敬遠していた野球漫画です。しかし、読むと分かりますが内容は極めて濃密なものとなっています。
1試合1試合がすごく丁寧に描かれていて「作者の方は本当に野球が好きなんだろうなぁ」と感じました。あと試合以外の場面も丁寧に描かれているのが好印象です。
弱気なエースというのも珍しくてgood。よくよく考えたら、絵の雰囲気ともマッチしてますね。読み進めるほど面白い野球漫画と言っていいでしょう。
おおきく振りかぶって 第1巻
グラゼニ(全17巻)
文字通り「銭(ゼニ)」に重きを置いたストーリーの野球漫画です。「実際のプロ野球選手も、少なからずこういうことを考えるんだろうか」と非常に気になってしまいます。
シビアな世界観から繰り広げられる展開は、非常にそそられる魅力を持っていると言っても過言ではありません。「金、金」言うわりには嫌らしさの無いマンガです。
主人公が中継ぎ投手というのも面白くていいですね。作者の方のマニアックな視点が垣間見れて、思わず笑みがこぼれてしまいました。プロ野球選手のあまり見えてこない部分を除きたいという人におすすめ。
※移籍後の物語が東京ドーム編として継続しています。
グラゼニ 第1巻
ラストイニング(全44巻)
野球部の存続を賭けて、甲子園出場を目指すという、これまでに何回か見たことがあるような、いわゆる「スポーツ漫画の定番と言っていい始まり方」こそするものの、中身は非常に異端な野球漫画ですね。
本作品は『戦略』に重きを置いていて、イイ意味で堅実な野球漫画と言っていいでしょう。いかに頭を使うかやID野球の意味を教えてくれるマンガだと思います。歴代の野球漫画の中でも引けを取らない、非常に面白い野球漫画です。
ラストイニング 第1巻
H2(全34巻)
非常に爽やかな野球漫画で、野球部が無いというところから甲子園を目指します。軽い恋愛要素もありますが、そのバランスがまた絶妙です。中学生の頃に「春華派orひかり派」という論争をしたのが懐かしいなぁ。
あだち充先生ならではの余韻を残すエンディングも健在です。最後の最後まで比呂と英雄、2人のHEROの活躍から目が離せません。野球と爽やかな青春が見事に融合していて、間違いなく名作漫画の1つと言っていいでしょう。kindle版がないのが残念ですが、ワイド版なら全17巻で揃います。
H2 第1巻
ROOKIES(全14巻)
不良×スポーツが織りなす、笑いあり、涙ありの野球漫画です。常にトラブルが絶えない野球部が1つになっていく過程は、何かを思わずにはいられないでしょう。
野球漫画としても面白いですが、何と言っても顧問と部員たちとの絆が最高です。こんな顧問なら部活動も楽しいだろうなぁと思えますし、指導者の重要性というのが痛いほど伝わってくる作品ですね。時代を代表する名作と言っても過言ではないと思います。最後のフィナーレは涙なしでは語れません。…あの終わりかたはズルいって。
ROOKIES 第1巻
やったろうじゃん(全19巻)
過去に甲子園優勝の経歴を持つ1人の男が、お世辞にも野球が強いとは言えない高校の監督に就任し、部員たちと一丸となって甲子園を目指していく物語です。
どちらかというと理詰めで「打撃よりも守備を重んじる」という喜多条の野球論は、野球漫画のセオリーを打ち崩してくれたと言っても過言ではないでしょう。
野球漫画の常識をいい意味で逸脱した作品だと思います。就任1年目は、非現実的な成長を遂げるというわけでもなく、高校野球らしい勢いも感じられて本当に面白かったです。途中から世代交代を経て、新たな主人公を据えて再発進しますが、個人的には第一部が大好きですね。
【関連記事】
私の中での監督視点マンガの先駆けは『やったろうじゃん』だった
鉄腕ガール(全9巻)
終戦直後を舞台に、1人の容姿端麗な女性投手と、それを取り巻く仲間たちが繰り広げる女子プロ野球の物語です。敗戦直後の政治的な背景もありつつ、孤軍奮闘する主人公の姿が凛々しく、そして力強く描かれています。米国との力関係にも屈しない男勝りな生き方は、多くの人を魅了することでしょう。
その姿は男から見ても超カッコイイっす。絵の雰囲気も終戦直後にマッチしていて、グングン引き込まれていきます。純粋な野球マンガって感じではなく、どちらかと言うとヒューマンドラマの要素が強くて、さらには野球もビジネスライクな雰囲気がありますが、ちょっとダークな野球マンガとしておすすめです。
鉄腕ガール 第1巻
バスケットボール
スラムダンク(全31巻)
言わずと知れた名作中の名作です。今まで読んだマンガの中で、繰り返し読んだ回数もぶっちぎりでナンバーワンかと。
個性あるキャラクターの数々、劇的なシナリオ、卓越した画力、どれを取っても最高峰です。バスケットボールに全く興味が無い人が読んでも楽しめる作品と言っても間違いありません。
大げさじゃなく「スラムダンクをつまらないって言う人っているの?」と思えるくらいです。これぞ鉄板!「何部に入ろうかなー」くらいの人に読ませたら、たぶんバスケ部に入る。
SLAM DUNK 第1巻
リアル(連載中)
スラムダンクの作者として超有名な井上先生が描いている車椅子バスケのマンガです。こちらの作品も、絵がムチャクチャ綺麗で、思わず見入ってしまいます。
障害を持った選手がバスケをする姿を描いているのですが、もはや言葉では語れません。私の語彙力では適当な言葉が思い浮かばないです。重いテーマでも、スポーツの力とか生きる事に対する考えとか、そういうものがリアルになって自然と感情に訴えてくる作品ですね。
リアル 第1巻
あひるの空(連載中)
タイトルネーミングからして非常に好きで、連載開始直後からずっと読んでいますが、非常に面白いバスケ漫画だと思います。真っ直ぐすぎるくらいの主人公ですが、芯の強さや熱い気持ちなども持っていて、素直に応援したくなるんですよね。
主人公の身長は低いですが、それを活かした役割や技を持っていますし、現実離れしすぎずバランスも秀逸だと思います。間違いなく良作です。
あひるの空 第1巻
I'll(全9巻)
バスケット漫画と言うよりは「青春を感じさせるストーリー」に焦点が当てられている作品ですが、間違いなく名作の1つだと思います。
奇声を上げながらバスケの試合に臨んだり、すぐにケンカが始まったりなど、ドタバタする青臭さみたいなものがありますが、それもまたイイ味を出してるんですよね。感情面の描写が巧みな本作品は、読み手の年齢によっても受け捉え方が変わる面白い作品だと思います。
I'll 第1巻
黒子のバスケ(全30巻)
「パスを得意とする地味な主人公」という設定は非常に面白かったのですが、バスケ漫画というよりはバトル要素が強いですかね。キラキラネーム満載のキャラや「四天王の中でもアイツは1番最弱・・・」みたいな流れありきで楽しめるのであれば、面白く読めると思います。
途中から「路線を変えたの!?」と言うくらい方向転換したようにも思えましたが、流行るのも大いに理解できる作品です。
黒子のバスケ 第1巻
DRAGON JAM(連載中)
いわゆる普通のバスケではなく、ストリートバスケにスポットが当てられた作品です。基本的なルールは3on3ですし、当然ながら部活動のバスケとは全く異なる作風になっています。
それでいて、人との繋がりやゲーム中の躍動感、そしてバスケに対する熱量は、普通のバスケ漫画に負けておらず、むしろ強いくらいかもしれません。少し『LIVE感』を感じる演出もカッコ良く仕上がっています。絵から鼓動を感じるバスケット漫画です。
DRAGON JAM 第1巻
バレーボール
ハイキュー!!(全45巻)
ライバル関係にある2人の主人公のバランスが良く、それぞれが持つ才能と想いの交錯が非常にうまく描かれています。どちらも人間味があって好感が持てるのもgoodです。
バレーボールの描写にも萎える設定のようなものがなく、安心して楽しく読み進めることができるのも良いポイントですね。コミックスの1巻を読んだだけで「これは間違いなく面白くなるぞ!」と感じます。このままいけば、もしかすると歴代最強のバレーボール漫画になるかも。
歴代最強のバレーボール漫画になりました。
ハイキュー!! 第1巻
神様のバレー(連載中)
監督(正確にはアナリスト)視点で描かれる、戦略に重きを置いたバレーボール漫画です。有名どころの名前を借りるのであれば「バレーボール版GIANT KILLING」みたいな感じ。
とびきり優れた選手がいるわけでもなく、スーパープレイが随所に見られるわけでもありません。それでも読者を惹きつける魅力があります。自信家すぎる主人公に賛否両論ありそうですが、チームにスーパープレイヤーがいない以上、これも1つのカタチだと言えるでしょう。今後の展開が非常に楽しみな作品です。
神様のバレー 第1巻
少女ファイト(連載中)
大まかな流れとしては「小学校の時は一流選手だった主人公が、とあることがキッカケで消極的になり、中学校では自分を押し殺してプレーするようになる」というもの。
絵はちょっとクセがありますが、バレーボールの楽しさ以上に大切なものに気付ける作品と言ってもいいかもしれません。最近、バレーボールを題材にしたマンガが急激に増えてきたような気もしますが、その中でも一際輝いている作品です。心理描写がすごい。
少女ファイト 第1巻
ハリガネサービス(全24巻)
最近よく見る「俺TUEEEじゃないんだけど、秀でた特化能力が1つある」という魔法系バレーボール漫画です。この物語の主人公は、狙った所にサーブができます(ネットインもお手の物)。
所々に過剰な演出こそあるものの、スポーツを題材にした少年漫画らしくて面白いと思います。他の登場キャラは、良く言えば個性的(悪く言えばアクが強い)で賛否両論あるかもしれませんが、絵は普通に綺麗ですし見応えは十分だと思います。
物語は全24巻で一区切り、続編ハリガネサービスACEへと続きます。
ハリガネサービス 第1巻
アタック!!(全10巻)
すごく熱量のある本格派バレーボール漫画で、なによりもパワーバランスが秀逸だと思います。「廃部寸前の弱小高校に所属している」「主人公が丸っきりの初心者」などの極端な初期設定でない部分に好感が持てました。
主人公は運動神経が抜群で何でもそつなくこなすため、中学の頃は引く手あまたで様々な運動部の助っ人的な存在だったのが、高校バレーにて天狗の鼻を折られてしまうというものです。恋愛要素もありますが大筋のストーリーを邪魔していませんし、人間関係を含めて熱い作品です。
アタック!! 第1巻
その娘、武蔵(全3巻)
豪快なスパイクから幕開けしたかと思いきや、その数ページ後にはバレーボール辞める宣言が飛び出すという…異色のバレーボール漫画です。
身長184cmの主人公は「将来の全日本代表選手になるのでは!?」と言われながらも、バレーボール部の無い高校へ進学。にも関わらず、ふとしたキッカケでバレーボールを始めるというストーリーになっています。
初期設定は良かったのですが「まさにこれから!」という場面で完結してしまい、個人的には消化不良だったような気がしました。色々と惜しい!
その娘、武蔵 第1巻
テニス
ベイビーステップ(全47巻)
本作が面白いのは「データを取って理論的に戦略を立てつつ、生真面目に反復練習をこなす」という、優等生だからこそのアプローチで成長していく点です。テニスの戦略などは丁寧に描かれており、テニスを始めたばかりに人にとって学べる部分も多いと思います。
勉強が非常にできるのにも関わらず、全然嫌味じゃない主人公にも好感が持てますし、思わず応援したくなるキャラクターというのがいいですね。月並みですが「人気があるのがメチャクチャわかるテニス漫画」と言っていいでしょう。だって、普通に面白いもん。
ベイビーステップ 第1巻
テニスの王子様(全42巻)
テニス漫画としてのトップの地位を獲得したと言っても過言ではないでしょう。うまいこと萌え要素を取り込んで、実写化や舞台化など非常に上手くやったと思います。
途中「どこかの戦闘民族のようなオーラを放つ描写」や「大リーグボールみたいな必殺技の数々」に驚かされますが、これはこれでウケるのかなぁなんて思ったりもして。絵は非常に綺麗です。個性的なキャラクターも魅力に溢れています。色んな意味で面白いテニス漫画でした。
テニスの王子様 第1巻
卓球
少年ラケット(全13巻)
記憶を失った少年が卓球と出会うことで、これまで止まっていた時間が再び動き出すという物語です。可愛らしいモデリングのキャラクターばかりが登場しますが、内容は本格的な卓球漫画となっています。
初心者にもわかりやすいように、卓球のテクニックなどを説明してくれますし、卓球ならではの瞬発力を感じさせる絵の躍動感も最高です。スポ根モノでもなく、爽やかさが全面的に表れていて、取っ付きやすさもかなりのモノ。
少年ラケット 第1巻
ピンポン(全5巻)
絵のタッチが好きになれなかったけど、読んでみたら一気に夢中にさせられました。青春漫画であり、本格的な卓球漫画です。
才能とか努力とか挫折とか…色々な要素が詰め込まれている全5巻は、捨てるところがないくらい至極の完成形となっています。感情移入しやすい点もいいし、迫力のある展開も申し分ありません。間違いなく最強最高の卓球漫画だと思います。
ピンポン 第1巻
フルドライブ(全3巻)
良くも悪くも少年ジャンプ感が全面的に押し出されている、卓球を題材にした漫画という感じです。主人公は偉大な祖父を持っていて才能も抜群だけど、まだ無名選手という設定。
あまり挫折することなく、何とかして強敵をバッタバッタと倒していく展開に賛否両論ありそうですが、絵の躍動感もさることながら戦っているシーンはカッコイイです。あとヒロインも可愛い。
「そのうちバウンドしない球とか打ちそう…」という不安感というか微かな期待があったのですが、そんなおふざけはせずに全3巻にてフィニッシュです。卓球好きなら読んで損なし。
フルドライブ 第1巻
卓上のアゲハ(全3巻)
可愛らしい女性キャラを使った軽いお色気を含むギャグと、バトル要素満載の卓球が題材になっているマンガです。
どっかで見たことのあるような描写(手塚ゾーン、戸愚呂弟、フリーザと戦う前のピッコロ)が多く、パロディー作品としても見ても面白いと思いますが、魔法系卓球漫画って今までになかったと思うので新鮮だと思いました。
「え!?これからじゃないの!?」って感じで終わってしまうのが残念です。まぁ全3巻と読みやすいボリュームであると考えれば悪くないかもしれません。
卓上のアゲハ 第1巻
ゴルフ
KING GOLF(連載中)
プレデターと呼ばれ恐れられているド不良の主人公が、ゴルフの魅力にのめりこみ、ゴルフの道で王様を目指すというストーリーです。
ゴルフに関する解説コーナーもあるので、実際にゴルフをプレイしない人も楽しく読めるのではないでしょうか。この解説コーナーも結構面白いんですよね。
「不良で我が強いのもあり、メンタルは抜群」というのが、いかにスポーツにおいても重要かということを面白く描いていて、いい味を出していると思います。
KING GOLF 第1巻
ライジングインパクト(全10巻)
良くも悪くも「少年漫画+ゴルフ漫画」です。プロでもない子供が、馬鹿みたいに飛ばします。ここについては好みが分かれるかと思います。言葉訛りもあって、セリフが読みづらいかもしれません。
それでも主人公のガヴェインを始め個性的なキャラクターばかりで、ワクワク感に溢れています。そしてこの作品は「成長を楽しむマンガ」だと思うんですよね。1度打ち切られたものの再び紙面に戻って来たという、名実ともに強烈なインパクトを残した作品です。
ライジングインパクト 第1巻
空の昴(全21巻)
悪役からの常識から外れた挑発を受け、優等生の主人公がゴルフで粛清するという流れの漫画です。主人公が少年であるうえに、少年漫画らしいスーパープレイが随所に登場するので、実際のゴルフが好きな人からするとイマイチに感じる人もいるかもしれません。
しかし「これでもかっ!」というくらい友情にスポットが当てられているので、少年漫画らしい友情が大好きな人にはピッタリの作品と言えるでしょう。
空の昴 第1巻
バドミントン
はねバド!(全16巻)
とにかく絵がメッチャ可愛い。やばい、惚れる。あまり見ないって言ったらアレですけど、バドミントンが題材になっているというのもいいですね。
「部の存続が危ぶまれるところに登場する、天才型の主人公」という、いかにもな展開には目を瞑りましょう。所々に解説も入りますし、バドミントン競技を知らない人にも優しく描かれています。
本作を読んで、バドミントン部に入部する女子が多発する予感すら感じさせてくれる作品です。
はねバド! 第1巻
片翼シャトル(全4巻)
偉大なパートナーに捨てられた過去を持つ天才プレイヤーとド素人のコンビが繰り広げるバドミントン漫画です。絵がとにかく可愛らしいので中学生かと思いきや、舞台はインターハイとなっています。
ド素人の成長が早すぎるような気がしなくもありませんが、ダブルスという競技の特殊性によってその不自然さが緩和されているような気がしました。友情とかライバルっていいなぁと思える良作。唐突過ぎる終わり方が少し残念で、もう少し読みたかったと思わされることでしょう。
片翼シャトル 第1巻
ボウリング
トキワボウルの女神さま(全4巻)
DEAR BOYSで有名な八神ひろき氏が描いているボウリングを題材にした漫画です。
トキワボウルというボウリングセンターに生まれた娘&息子、そしてそこに昔通っていたという1人の男子高校生が主人公で、廃部寸前のボウリング部を盛り上げていくという流れになっています。
登場する人物たちもキャラが立ってますし、なにより数少ないボウリングの漫画です。始まったばかりで今からメチャクチャ期待していますが、まず間違いない作品と言っていいでしょう。
全4巻で打ち切りになってしまいました。これからだと思ったのに残念です。
トキワボウルの女神さま 第1巻
レース、乗り物系
Over Drive(全17巻)
自転車に興味が無かった私に「ロードレースの漫画って面白いんだなぁ」と思わせてくれた作品です。所々、絵が見にくいと感じることはありますが、ストーリー展開は非常に熱いものとなっています。
簡単な内容としては「冴えない主人公が自転車と出会って変わっていく姿」が描かれていて、王道と言ってしまえばそれまでなのですが、ロードレースが題材のマンガ自体が少ないので非常に新鮮な気持ちで読めました。絵の爽やかさと内側に秘められている熱さのコントラストが映える1作です。
Over Drive 第1巻
弱虫ペダル(連載中)
前項で紹介したOver Driveが面白かったので「他のロードレース漫画も読みたい!」という衝動に駆られ読んでみたところ、一気に読み進めてしまうほど面白い作品でした。こちらについても「冴えない主人公が隠れた才能に気付き、ロードレースの世界に足を踏み入れる」というストーリーです。
才能というか「ママチャリでアキバ通いしてたら、脚力がハンパ無くなっていた」といアプローチも最高!普通に面白くて、長期連載になりながらも中だるみを感じさせない作品ですね。
弱虫ペダル 第1巻
じこまん(全3巻)
ロード乗りの「あるある」がふんだんに織り込まれている1作です。ロードバイクに乗ったことがない私でも、何となく分かるネタもあったりして思わずニヤけてしまいます。
「イイ年の大人が趣味として楽しんでいるものですから、そりゃ面白くないわけがないでしょ!」と思いきや、やたら自転車をディスってたりもするんですよね。なんか好きな子に意地悪をしてしまう子供みたいと思ったりして。
全3巻ですが内容が濃くて文字も多いので、非常に読み応えがあります。ロードレースの世界が覗きたい人に特におすすめ。
じこまん 第1巻
Capeta(全32巻)
モータースポーツを題材にした漫画です。レースシーンの迫力はハンパ無いですよ。
モータースポーツというのは、車の性能だけでは勝てません。ドライバーの腕はもちろん、優秀なスタッフが居てこそ初めて勝負できるスポーツです。それゆえに仲間たちとの連携や絆など、物語全体が熱く描き上げられています。
家族愛とか仲間愛とか全部ひっくるめて最高の全32巻です。本作に夢中になってしまうスピードは、たぶん音速よりも早い。
【関連記事】
音速の如くのめり込むレース漫画「capeta」は読み始めたら止まらないっ!!
Capeta 第1巻
モンキーターン(全30巻)
題材自体が非常に珍しく、似たような題材で描かれた漫画を他に知らないのですが、ボートレース、競艇を描いた漫画です。かなり熱い仕上がりになっていて、ギャンブルというよりも完全にスポーツです。
博打が好きじゃない人も多いと思いますが、かなり健全な漫画なので安心してください。実際に競艇をやったことがなくても問題ありません。ボートレースという競技の奥深さを知ることで、競艇に対する意識は180度変わるでしょう。他の漫画と比較できないのでアレですけど、メッチャ面白いです。
モンキーターン 第1巻
格闘技・武道系
オールラウンダー廻(全19巻)
総合格闘技「修斗」にスポットを当てた格闘技漫画で、内容は必殺技などが飛び交わない本格的な内容となっています。初心者にもわかりやすく説明してくれているので、「修斗って何?」という人が読み始めても楽しめるでしょう。
白熱する戦いの裏には、フェイントなどの心理戦を交えた攻防が淡々と進んでいたり、一言では言い表すことができないくらい、秀逸な作品だと感じました。少し余韻を残すような終わり方で「満腹にはさせない!」くらいの感じです。最後までブレずに完結させた点も、本作の評価を上げた要因の1つ。
オールラウンダー廻 第1巻
鉄風(全8巻)
女子総合格闘技を取り上げた作品です。なんでもこなす天才肌の主人公が、挫折を味わいたくて総合格闘技を始めるという、ちょっとヒールな感じがたまりません。
ライバルの女の子は体格にも才能にも恵まれていませんが、努力1本でのし上がってきた実力者という点もいいですね。本来の漫画とは設定が逆というだけでも見応え十分ではないでしょうか。所々に総合格闘技における攻防のセオリーなんかも解説してくれているので、初心者も取っ付きやすいです。
鉄風 第1巻
あしたのジョー(全20巻)
「ボクシング漫画と言ったら?」と聞けば「あしたのジョー」と答える人が1番多いのではないでしょうか。言わずと知れた名作中の名作ですね。これだけ多くの人に支持されているわけですから、当然ながら非常に多くの魅力が詰まった作品です。
昔の作品なので絵の取っ付き辛さに関しては否めませんが、男の生きざまを描いた名作として押さえておきたいマンガだと思います。最後の劇的な結末と『あしたのジョー』というタイトルに隠された想いに気付いた時、感動して心が震えること間違いないでしょう。
あしたのジョー 第1巻
はじめの一歩(連載中)
いじめられっ子がふとしたキッカケでボクサーになり、王者を目指すボクシング漫画です。不器用ながらも真面目で優しい主人公が、ひたむきに努力を続け成長していく姿に感動を覚えること間違いありません。
ハッキリ言って最初はメチャクチャ面白かった!ただ、ひたすらライバルとの決戦を先延ばしにされているので、70巻あたりからイライラしてくる人も多そうです。
現在は100巻を超える長編漫画となっていますが、個人的には止め時を見誤った感のようなもの(続けなくてはいけない大人の事情)を感じています。これ200巻までいくでしょ。
【関連記事】
人気ボクシング漫画『はじめの一歩』が面白くないと感じたのは、いつからだろう
リクドウ(全23巻)
かなりダークな世界観を持ったボクシング漫画です。本作で描かれているのは、華やかなリングの上で相手と称え合うようなボクシングではありません。スポーツではなく、殺すか殺されるかのボクシングです。
しかし決して気性の荒い主人公というわけではなく、生い立ちの関係で深い闇に包まれているというもの。どこか悲し気というか・・相当深い闇を抱えているというのが伺えます。それでも「これしかない!」という想いでボクシングに取り組む姿は美しく、心の底から「いつか栄光を勝ち取って欲しい!」と思いました。
リクドウ 第1巻
RRR ロックンロールリッキー(全10巻)
フリーターをしながら夢を追いかけている27歳のバンドマンが、恋人を失い、姉を失い、姉が残していった子供と一緒にボクシングを始めるという物語です。
最初は番組の企画ということで、どこかで見たことがあるようなシーンが連続していますが、そこに「残された子供」というエッセンスが加わることで、全く新しいジャンルの漫画として成立しているんですよね。ちょっとしたサスペンス要素もあるので、純粋なボクシング漫画とは言えませんが、なかなか面白い作品です。
RRR ロックンロールリッキー 第1巻
火ノ丸相撲(全28巻)
初めて読んだとき、大ヒットする可能性を大きく感じました。絵がとても綺麗な、相撲漫画です。
どんなスポーツでも「体格に恵まれていない選手が、努力でそれを乗り越える姿」というのは大きな共感を呼ぶかと思いますが、本作におけるそれは「血の滲むような努力で覆した感」がハンパ無いんですよね。
素直に応援したくなるような主人公というのも素敵だと思いますし、これからますます面白くなっていくことを期待している作品です。
最初の勢いのまま全28巻、走り抜けてくれました。連載当初から変わらず、完結した今もおすすめです。
火ノ丸相撲 第1巻
鮫島、最後の十五日(全20巻)
こちらも今話題の相撲漫画なのですが、前項で紹介した「火ノ丸相撲」と比較すると少しだけ現実よりの作品という印象を受けました。とは言え、身体の小さな相撲取りが努力と気迫で体格差を跳ね返すという少年漫画の本質は組み込まれています。
不良上がりの男が主人公になっているので、読んでいる側に伝わってくる熱量も相当なものです。「いつ土俵に立てなくなってもおかしくない」という覚悟で立ち合いに臨む姿には、まさに鬼気迫るような迫力を感じられることでしょう。
佐藤タカヒロ氏の急逝のため未完のままですが、間違いなく名作です。
鮫島、最後の十五日 第1巻
グラップラー刃牙(全42巻)
格闘技漫画・刃牙シリーズのさきがけとなった作品です。何と言っても最大の魅力は「実際にはあり得ない異種格闘技の数々」だと思います。時にそれはギャグかと思ってしまうような展開も少なくありませんが、次々と強敵が出てくる展開には息を飲むことになるでしょう。
刃牙シリーズを心から楽しもうと思ったら最初に読んでおくべき作品ですし、色んな意味で「ぶっ飛んでる格闘系漫画」をお求めの方はどうぞ。
※グラップラー刃牙→バキ→範馬刃牙→刃牙道
グラップラー刃牙 第1巻
モングレル(全4巻)
キックボクシングを題材にしたマンガで、非常に絵が上手で期待していたのに、残念ながら全4巻で打ち切りになってしまった作品です。「まさにこれから!」ってところで終わってしまうのが本当に残念ですが、キックボクシングのマンガはあまり見ないので新鮮でした。
「元体操選手がキックに転向」という初期設定が斬新で面白いと思います。本来であればどんな終わり方をしたのかがメチャクチャ気になる作品です。
【関連記事】
キックボクシングを題材にしたマンガ『モングレル』がもう少し読みたかった
柔道部物語(全11巻)
柔道の競技人口がもっと多ければ、間違いなくもっとメジャーなタイトルとなっていたであろう名作。「これを読んで柔道を始めたという人も多いんじゃないか」と思えるほどの魅力的な作品です。
主人公が吹奏楽部に入ろうと思っていた矢先、軽く騙されて柔道部に入部することになってしまったという展開が既に面白いのですが、笑えるポイントも多く用意されており、一旦読み始めてしまったらたちまち魅了されることになるでしょう。
時折、柔道の専門用語や技の名前が出てきますが、私は柔道を知らない小学生の頃から読んでいたので、柔道を知らない人が読んでも面白いと思います。
【関連記事】
【おすすめ】隠れた面白い名作マンガといえば『柔道部物語』で決まり【kindle】
女子柔道部物語(連載中)
前項で紹介した柔道部物語の完結から25年の時を経て始まる、新しい柔道部物語です。なんと今回は、女子柔道がテーマになっています。
日本人初の女子柔道金メダリストでもある恵本裕子氏が原作になっていて、史実に基づいた柔道部物語が堪能できるでしょう。前作の切れ味ある笑いなどはそのままに、パワーアップして帰って来たような印象を受けました。
前作を読んでいなくても楽しめそうな感じですので、こちらから入ってみて面白ければ過去作を読むというのでもアリだと思いますよ。特におすすめしたいスポーツ漫画の1つです。
【関連記事】
YAWARA!(全29巻)
単なる女子柔道マンガと思うことなかれ!周りの人の支えや絆みたいなものがテーマになっている、今も色褪せない名作と言っても過言ではありません。大まかな概要としては柔道少女がオリンピックを目指すというものですが、主人公が徐々に成長していく過程が楽しめますよ。
スポーツ漫画には熱血的な要素が不可欠だと思っていましたが、その間違いに気付かされました。間違いなく名作です。
※単行本は全29巻ですが、完全版は全20巻。kindle版は現在ありません。
YAWARA 第1巻
EVIL HEART(全6巻)
合気道を題材にしている珍しいマンガで、復讐のような一種の憎悪が合気道との懸け橋になっているのですが、空手や柔道じゃなくて合気道って部分に大きなドラマを感じます。
それは読み進めていくうちに確信へと変わりました。「あー、武道っていいなぁ」と心から思いますよ。合気道を通じて心身ともに成長していく、主人公の男子中学生に注目です。
全6巻なので一気に駆け抜ける疾走感もハンパ無いですよ。家族愛にもスポットが当たっているので、油断してると泣かされます。可愛らしい絵の裏側に熱いドラマが待っている、そんな作品です。
【関連記事】
合気道を題材にした名作!「EVIL HEART」の家族愛に涙
サムライハーフ(全4巻)
タイトルにもあるように、主人公はカナダ×日本のハーフの男の子です。サムライに憧れていて、剣道の名門校に入学するところから物語は始まります。
ちょっとした小芝居をどう捉えるかで評価は大きく分かれるでしょうが、剣道マンガというジャンル自体が珍しいので、今後の展開を期待せざるを得ない作品と言っていいでしょう。
なんとなく「るろうに〇心」の影響を節々に受けているような描写も散見されるので、リアル志向ではありません。派手な剣道マンガとしておすすめです。
サムライハーフ 第1巻
あさひなぐ(全34巻)
薙刀を実際に見たこともなければ、他に薙刀を題材にして描かれたマンガがあるのかどうかもわかりませんが、本作はメチャクチャ面白いです。
女の子ばかりが登場するマンガということもあり、萌え要素や軽いエロみたいなものを放り込んでくるかと思いきや、中身はかなり本格的なマンガとなっています。
すごくカッコイイと感じるマンガですし、心理描写も秀逸で、武道のマンガとしても申し分ない作品ですよ。薙刀をやったことがなくても楽しめます。
あさひなぐ 第1巻
水泳・水上系スポーツ
ラフ(全12巻)
あだち充先生が描く、恋愛要素が強めの青春水泳漫画です。学校生活の描写も多く、水泳を通して友情や恋愛を育んでいく姿が魅力的な作品となっています。
幼馴染が出てくる展開が一級品なのは言うまでもないでしょう。最初は「仲が悪いのかな?」というような両者の関係が、どのように変わっていくのかも見所です。
余韻を残すフィナーレも他のマンガでは見られない描写だと思います。良い意味で続きが気になって仕方ありません。爽やかなスポーツ漫画を求めている方には是非おすすめしたいです。
【関連記事】
Glaucos(全4巻)
フリーダイビングがテーマになっている作品なのですが、類似するマンガを全く知らないので希少価値もすごく高い作品だと思います。「ただ潜るだけでしょ?」と思ってしまいがちですが、そこには極限までに研ぎ澄まされた潜在意識があるんですよね。とても奥が深いんです。
全4巻なのであっという間に終わってしまうでしょう。これを読んでるときは、なぜか知らないけど息を止めて読みたくなります。
Glaucos 第1巻
ラグビー・アメリカンフットボール
フルドラム(全5巻)
ダメダメな主人公がラグビーと出会い、真摯に向き合っていく姿を描いた作品です。典型的なスポ根モノということもあり、持っている熱量は相当なもの。バイクをタックルで止めたりなどの過剰表現はありつつも、絵から伝わってくる迫力も抜群と言っていいでしょう。
打ち切りになった以上仕方がないのですが、最後は駆け足気味に終わらせてしまい、ちょっと残念でした。それでも「これが打ち切りになるなんて…」と思わずにはいられないポテンシャルを持っている作品だと思います。ラグビー好きの方はぜひ。
フルドラム 第1巻
ALL OUT(全17巻)
個性溢れるキャラ、熱いチームワーク、困難にぶつかる気迫・・・どれをとっても一級品です。なにより熱量がハンパ無い!
絵のタッチに可愛らしさというか中性的な雰囲気があるので、ラグビーという競技カラーからすると少し違和感があります。ラグビーって言ったら、男臭さの代名詞みたいな部分がありますからね。
ですが、それを差し引いてもタックルなどの躍動感はヒシヒシと伝わってきますので、十分に楽しめると思いますよ。この作品が大ヒットに繋がって、ラグビー漫画もたくさん出てきてほしいです。
ALL OUT 第1巻
アイシールド21(全37巻)
アメリカンフットボールにあまり馴染みがなく長いこと読まず嫌いだったのですが、試しに読んでみたところ一気に引き込まれてしまいました。
主人公の成長ぶり、躍動感が伝わる絵のタッチや疾走感、個性的なキャラクターたち…どれを取っても面白い要素ばかりです。笑いあり涙あり、展開的にはジャンプが好みそうな王道であるにも関わらず、他のマンガには見られない輝きを見せています。
読み終わる頃には「NFL」とググってみたり、Youtubeで動画を探してみたりしてしまうくらい、アメフトに興味が出ていること間違いありません。
アイシールド21 第1巻
ラクロス
クロス・マネジ(全5巻)
タイトルと表紙の絵からも「そそられる感」が満載ですが、タイトルはどうやらラクロスのマネージャーという意味らしく、主人公はラクロス部のマネージャーになった男の子です。
とにかく駆け抜けた作品と言っていいでしょう。「もうちょっと読んでいたかった!」と思わずにはいられないくらいの勢いで、最後の最後まで駆け抜けてくれました。
全体を通して爽やかで、部活動の面白さや青春の雰囲気を上手に表現している作品だと思います。女子部だからと言ってあからさまなエロに走らず、純粋なスポーツ漫画として勝負したポイントも魅力の1つです。
クロス・マネジ 第1巻
ダンス&バレエ
ボールルームへようこそ(連載中)
マイナー競技であることがネックになるかと思いきや、画力の高さ、熱い展開、ほとばしる期待感を武器に、一気にスターダムへのし上がった作品です。
社交ダンスに興味があるとか無いとか、そういうのを関係なしに楽しめます。最近は「ダンスを習っている」という子供も増えてきているようなので、ダンス業界全体が盛り上がっているのかもしれませんね。
ちょっと芸術っぽい絵なのですが、うまく世界観とマッチしていると思いますし、汗が飛んできそうな臨場感すら覚えます。メッチャ面白いです。
ボールルームへようこそ 第1巻
昴 (全11巻)
オープニングから既に読者を引き込んで魅了する「魔法を使ったような作品」です。最初の最初から鬼気迫るような描写には、ただただ驚かされました。
バレエを通じて描かれる情熱が一切減衰することなく伝わってきます。マンガという動きのないコンテンツで、これだけ表現できるのは、もはや圧巻としか言いようがないですね。バレエに限らず、魅せる競技に疎い私のような人間にも「表現力のなんたるか」を教えてくれた作品と言っても過言ではありません。
昴 第1巻
BUTTER!!!(全6巻)
社交ダンスを題材にしたマンガですが、あまり躍動感や情熱を感じないタイプの作品です。スポーツ漫画にはあまり見ないタイプの絵と独特の雰囲気が、読者の気を引きます。
良くも悪くも「部活動での社交ダンスを通じて切り取った青春の1ページ」というような、青春の部活動にスポットが当てられた作品だと思いました。なにも全国大会がどうこうとか、そういうのだけがスポーツ漫画じゃないので、こういう着眼も私は好きです。
BUTTER!!! 第1巻
体操
ガンバ!Fly High(全34巻)
体操に焦点を絞った熱血青春スポ根漫画です。所々に恥ずかしくなるような『ありがちな描写』も多いですが、体操のなんたるかを楽しく知ることが出来ます。
採点方法や技の種類などがわからないと、五輪の体操なんかを見てても「すげ~」で終わってしまうものが、初心者ながらにも体操の奥深さを見出すことができるようになるでしょう。体操に興味が無くても普通に楽しめるのがすごい。
【関連記事】
体操金メダリスト内村航平も影響を受けたマンガ『ガンバ!Fly High』を紹介する
その他
灼熱カバディ(連載中)
マイナー競技であるにも関わらず、なぜか知名度だけはかなり高いカバディの漫画です。これがメチャクチャ面白い!
漠然としか知らなかったカバディのルールも学びながら読めますし、すごく戦略性が高くてハードなスポーツであることを理解するのに時間も掛からないでしょう。絵も綺麗で迫力も抜群!バカにしてる人ほどのめり込んでしまうかも。
灼熱カバディ 第1巻
ちはやふる(連載中)
競技かるたを題材にした話題作。実写化もされたので多くの人が知っていることと思いますが、格闘技にカテゴライズしても違和感がないほど熱いマンガです。
読むまでは「かるたのマンガに熱くなってるんじゃないよ!」とか思うんですけど、読後は「その発言はナンセンス、意味わからない、かっこ悪い」ってなります。良くも悪くも少女漫画っぽくないし、老若男女関係なく楽しめるマンガだと思います。日本人におすすめ。
ちはやふる 第1巻
最後に
多少の流行り廃りはあれど、スポーツ漫画の魅力は色褪せません。いつの時代も心を震わせ、時に涙腺を崩壊させてくれる熱い存在がスポーツ漫画ではないでしょうか。
そして読んでいて面白いだけではなく、実際のスポーツ観戦に役立つような知識が得られたり、実際に体を動かしたくなるような感覚も、スポーツ漫画の魅力の1つだと思います。
まだ読んだことが無くて気になった作品があれば、ぜひチェックしてみてください。
オススメ関連記事