こんな麻雀漫画は見たこと無い!『ムダヅモなき改革』を紹介する

『無駄ヅモ無き改革』という麻雀漫画をご存知でしょうか?ライオンヘアーで有名な元首相がモチーフになったキャラクターが主人公を務めている麻雀漫画なのですが、色んな部分でぶっ飛んでいて、ツッコミ要素が満載なんです。

タイトルからして「超フザけてるなぁ」と思いながらも古本屋さんで1巻だけ試し読みしたところ、何とも言えない魅力に憑りつかれて、速攻で全巻買ってしまいました。麻雀漫画というよりは正直『ギャグ漫画』のような気もしますが、今までに無かったと言っても過言ではないくらいの『スケールの大きさ』みたいなものに、グッと引き込まれてしまったんですよね。

「よくこんなの書いて怒られなかったなぁ」というのが正直な感想で、こういった作品が無事に出版&アニメ化されてるうちは「まだまだ日本も捨てたもんじゃないなぁ」と。というわけで今回は『ムダヅモなき改革』という麻雀漫画について、ご紹介したいと思います。

※若干のネタバレありです。

目次

どんな人にオススメしたいか

  • 麻雀が好きな人
  • ギャグ漫画のようなアホみたいな展開が好きな人
  • 政治を皮肉ったりするようなブラックユーモアが好きな人

もちろん麻雀好きの人にはお勧めしたいです。しかし、現実離れしすぎているタイプの麻雀漫画のため「切れるような安牌がない時にどうするか」などの、いわゆるヒリつくような展開には一切の期待ができません

普通に役満でアガりますし(というか役満でしかアガらない・・・かも)、現実には絶対にあり得ないタイプの魔法系麻雀です。しかし、サッカー漫画でも『ジャイアントキリング』が好きな人もいれば『キャプテン翼』が好きな人もいるわけで・・・。本作品は、間違いなくキャプテン翼寄りの作品だと言えるでしょう。

とりあえず、麻雀のルールがわからなくても楽しめるマンガではありますね。少しくらいはわかっていた方が楽しめるかとは思いますが、基本的に勢いが魅力なので、ルールを知らなくても興味さえあれば楽しめると思いますよ。

あとは、各国の首脳と麻雀による会談をすることになるので、物凄くデフォルメされた国会議員が数多く登場します。中には「これは怒られるんじゃないか!?」と思うくらい際どい表現もあるので、ブラックユーモアが好きな人にもオススメです。

 

主な登場人物紹介

小泉ジュンイチロー

ムダヅモなき改革 第1巻

この物語の主人公であり、元内閣総理大臣という設定です。『ライジングサン』と呼ばれる国士無双十三面を得意技としています。絵に悪意を感じなくもありませんが、間違いなくあの方がモチーフで間違いないかと。

北朝鮮との対局で勝利を収めたものの、発射されたテポドンから日本を守る為に、戦闘機に乗ってテポドンに向かって行くという破天荒ぶりも兼ね備えています。自〇党だけでなく、ミサイルもぶっ壊してくれました。

途中から主人公は変わるのですが、本作品において1番の最重要人物であることは間違いないでしょう。

 

真田又次郎

海上自衛隊護衛艦『たかお』の艦長であり、コミックスで言うところの7巻以降における事実上の主人公です。実はジュンイチローと大きな関係があります。

こちらもライジングサンを得意技とし、他にも『ファイアー立直』などの必殺技を持っており、ジュンイチローに負けずとも劣らずのやり手です。

モチーフになったキャラがいないのが残念ですね。せっかくなんだから、ここで小泉コータローとか使えばよかったのに・・・。

 

杉村タイゾー 衆議院議員

やたら『ニート』や『チルドレン』というワードが出てきたり、仲間の足を引っ張りまくっているあたり、最近お腹が出てきたことにより腹筋マシーンの宣伝に尽力している、あの方で間違いありません。

本作品では(本作品でも?)無能な役割を演じていますが、小泉ジュンイチローと一緒に、前半部分を大きく盛り上げてくれる存在です。時に大きなチカラを発揮する見せ場も用意されているので、ファンの方はお楽しみに。・・・ファンがいるかどうかは知りませんけど。

 

麻生タロー 外務大臣

本作において、すっげーイイ味を出しているのは麻生タロー外務大臣です。さりげなく緑一色をアガったり、めちゃくちゃカッコイイ存在と言っていいでしょう。

他にも「スナイパーを狙撃仕返す」というハードボイルドな一面も。後の内閣総理大臣ということもあって、物語の序盤から終盤まで活躍するほどの重要な立ち位置を担っています。

コミックスに収録されているオマケ的な『マンガで斬る麻生劇場』もメチャクチャ面白いので、必見ですよ。

 

野党代表代行 菅ナヲト

『政権交代』というワードをふんだんに使って、ブラックユーモアたっぷりに仕上げられているのは、お馴染み菅さんです。「政権交代なんて、もうコリゴリだよっ!」とか言わされちゃってます。

挙句の果てに退散する際の言葉が「お遍路行かなきゃ!」ですからね。随分と遊び心がたっぷりな表現で最高です。

 

レンホー

ムダヅモなき改革 第7巻

悪意を感じずにはいられない作画ですが、上手く特徴を捉えていて一発でわかっちゃいますね。『仕分け3on3』とか面白すぎますって。個人的には「2位じゃダメなんですか?」のイジりにめっちゃ期待してたんですけどねぇ。

それでも、襟を使った通しとか見所は沢山ありました。不要だと思えるくらいの細かな解説もすごく面白いです。「レンホーの襟がなす放物線と、その秘匿性」とかどうでもいいから!って、多分みんな思うはず。

そういえば、いつだか『マジ〇ン』を欲しがったとされるお子さんは、こういった面でも苦労するんでしょうかね。麻雀好きの友達に「お前の母ちゃん、マンガでイジられてたな!」とか言われるんだろうか。有名人の身内って大変だなぁ。

 

竹下ノボル

回想シーンでちょこっとだけ出てくる程度ですが、数ページの登場の間にイイ味出してますよ。絵もゆるキャラっぽいですし。個人的には「『人気キャラクター投票』とかやったら、数ページしか出てないのに上位入賞するんじゃないの!?」と思うくらい魅力的なキャラクターだと思いました。

基本的に実在している議員に対して、ちょっと皮肉ったり、小バカにしているような描写が多いと感じていたので、竹下ノボル元総理の登場シーンは非常にハートウォーミングなイイ話だと思います。心の底からM・Hです。え?なに?あぁ「マジ、惚れる」って意味です。

金将軍

このマンガにかかれば、北の某暴れん坊も面白い感じに仕上がります。とにかくフォルムが面白いので、ぜひ見てほしいくらいです。

しかもこのキャラは、対局前に小泉ジュンイチローを狙撃させるという卑怯ぶりを遺憾なく発揮するわけですが、対局終了時にはテポドンを発射するという、徹底した外道ぶりを貫いています。

名言は「一族全員、粛清すっぞコラァ!」と「お前ん家、粛清なっ!」です。これは、もはやブラックユーモアの枠を突き抜けて、むしろ不謹慎なんじゃないだろうか(笑っちゃいますけど)。ちなみに、小泉ジュンイチローに敗退後、今度は『メカ正日』として再登場します。フリーザかよ、お前は。

 

ヒトラー

ムダヅモなき改革 第4巻

地上最強の雀士という設定の『ベネディクト16世』を圧倒的な強さで葬るほどの最強設定です。

ジュンイチローはヒトラーを倒すために恐山にいって「かつてヒトラーに勝ったことがある雀士」を召還して修行するのですが、呼ばれる雀士も『チャーチル・ルーズベルト・スターリン』という豪華メンバーでした。

ヒトラーの圧倒的な強さの秘密は『スーパーアーリア人』という、どこかで見たことがあるような黄金の戦士という設定です。穏やかな心を持ちながら目覚めたのでしょうか。

 

ギャグ要素

レートがメチャクチャ

普通に「点戦闘機」というレートで勝負が進んだりするのですが「戦闘機って一機、いくらくらいすんの?」というか、普通に考えて「アンタ、何やってんだよ!」と言いたくなりますよね。何?『点F-15』って・・・。

ちなみに『F-15』とは。

アメリカ空軍などで運用されたF-4の後継として開発された大型制空戦闘機で、第4世代ジェット戦闘機に分類される。 F-4と共に、冷戦下のアメリカ空軍とマクドネル・ダグラス社を代表する戦闘機といえる。 軽量な機体に大推力のターボファンエンジンを2基搭載し、高出力パルスドップラー・レーダーと中射程空対空ミサイルの運用能力を持つ。後継機であるF-22が戦力化され、原型機の初飛行から既に40年経った現在でも世界トップクラスの性能を誇る。F-15 (戦闘機) – Wikipedia

難しいことはよくわかりませんが、とりあえず笑うしかないです。非核三原則は何処にいったんでしょうか(核じゃないからいいのか)

ちなみにこの対局においても、普通に『国士無双十三面待ち』とかやりますんでね。点棒F-15が何機あっても足りないですよ。その辺も含めて、二重三重の楽しみがあると言えるでしょう。

あ、そうそう。物語が進むと『点‐地球』とかもやりだします。あとは『点‐議員バッジ』とか。議員バッジって複数持ってるもんなんですか?1人1個だと思ってました。

 

イカサマもお手の物

普通にイカサマがあります。各国の首脳陣が集まって会談もせんと麻雀をやってるかと思いきや、その場でイカサマしてるという始末。バレたらどう落とし前つけるつもりなんでしょうか。

後述していますが本作品では、単なるイカサマとは違って『チート技』が認められています。イカサマを禁止する場面はありますが、どっちかって言ったら『チート技』を禁止した方が遥かに合理的だと思うんですが・・・。

「それを言ったらお終い」みたいなことですかね。「ヒーローの変身中には攻撃しちゃいけない」というような暗黙の了解とでも思っておきましょう。

 

必殺『轟盲牌』

『轟盲牌』とは、ツモるときの恐るべき握力で牌の表面を削り取り、その牌を『白』に変えるという「出るマンガ間違ってんじゃねーの!?」と言いたくなるようなチート級の必殺技です。

これはさすがの花山薫でも無理だと思うので、刃牙シリーズに出てればそれなりの選手として活躍できるんじゃないかと思いますね。

しかも物語が進むと、轟盲牌は『神盲牌』へと進化し「二索を削り取る→七索に足す→九索の出来上がり」という完全なるチート技に昇華します。・・・なんでもアリじゃん。

青天井

ムダヅモなき改革 第1巻

プーチン大統領との一戦では『青天井』というルールのもと、対局が行われました。対局序盤にタイゾーの親役満で大きくリードするも、プーチンの『清一色・四槓子・ドラ20』で大幅に逆転されるなど、スケールの大きすぎる戦いが繰り広げられます。

点棒の計算難しそうだなー。っつーか、点棒って言ってもいいのだろうか。『溝』とか言ってますけど・・・。そりゃ汗だくにもなるわ。

最終局面ではジュンイチローが「手牌をすべて白に変える」という荒業を使い『ドラ72』という常識外れな役でもって勝負は決着しますが、それを見たプーチンは「なんと手牌すべてを白に変えたか・・・」と言うだけっていうね。アンタ、色んな意味ですごいよ。

 

ブラックユーモア満載

ムダヅモなき改革 第1巻

不謹慎スレスレの笑いが満載です。読んでいるコッチが焦るようなブラックユーモアの数々に、グングン引き込まれてしまうでしょう。

中には、あまりにもひどい表現も散見され、むしろ「1回派手に怒られろ!」と言わんばかりのものも。上記画像で言うところの、同じことを海外で「福島どうのこうの・・・」ってやられたときに、どう思うんでしょうか。

個人的には嫌いではありませんが、この辺りの踏み込み過ぎた領域には賛否両論ありそうです。少なくとも当事者にとっては笑えない種類のジョークも多いです。

 

待望のアニメ化

これをアニメ化するというのも「随分と思い切ったなぁ」と思いましたけど、出だしから笑わせてくれました。

『この作品はフィクションです。実際の人物、国家とはかなり関係ありません』

掴みは完璧と言っていいでしょう。この作者の人、すっげー面白い人だと思います。心の底からM・H。あ、マジ惚れるって意味です。

それにしても、他国の人が見たらどんな気持ちになるんだろうか。『くだらない娯楽』として鼻で笑ってくれればいいですけど、思想的なものってなかなかね。まして、ダライラマとかローマ法王とか出てきますから。

 

最後に

「麻雀の描写が」というよりも、各国の交渉材料に麻雀が使われているという発想が面白いのかもしれません。あとは誰もが思っていたけど言わなかったようなことが鋭く描かれている点も魅力の1つだと思います。

なかなかエッジの効いた皮肉というのを麻雀漫画を通じて見られるとは思っていなかったので、イイ意味で非常に大きな衝撃を受けましたが、すごく面白い作品だと思います。興味の出た方は、ぜひ読んでみてください。

 

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