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隠れた面白い名作マンガといえば『柔道部物語』で決まり!

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幼少の頃、柔道のルールどころか、ろくに漢字も読めない状態で『柔道部物語』というマンガを読んでいました。柔道は、日本のお家芸とは言われながらも、サッカーや野球と違ってスポットが当たりにくい競技ですが、これはメチャクチャ面白いマンガなんです。

ストーリーはもちろん、絵も上手だと思いますし、読者を笑わせるセンスも光っています。これまで読んできたマンガの中でも、ピカイチの面白さと言ってもいいでしょう。世代によっては「これを読んで、柔道を始めた!」という人も絶対にいるはずですよ。

というわけで今回は私が大好きな『柔道部物語』について、ご紹介します。

簡単なあらすじ

コミックス 第1巻

将来は家業を継いで『寿司職人』になる予定の1人の男子高校生がいました。根っからの優等生で、優しい顔つきの彼の名は三五十五。

中学と同じく、高校でも吹奏楽部に入るつもりだったものの、たまたま見学に行った先の柔道部で「吹奏楽部は無くなった」と騙され、そのまま柔道部に入部することに。

「練習時間は毎日1時間半、土日は休み、教室の掃除当番は免除、女にモテる、就職にいい、月1回文化部の女子とレクリエーション」という待遇の良さに惹かれて入部しましたが、果たして・・・。

 

柔道

ド素人からのスタート

コミックス 第1巻

初心者が『秘められた才能』や『努力』を武器に駆け上がっていくという、一種の「よくある流れ」ではありますが、三五にも抜群のセンスと負けん気が備わってます。

しかし、一気に強くなるというわけではなく、ビギナーズラックのような不安定な強さを上手に描いています。成長具合が過剰じゃないというか、残した結果自体は過剰かもしれませんが、その過程に不自然さが無いです。

あるときから急にコツを掴んだように強くなりますが、その強さは盤石のものではありません。むしろ脆いくらいで、強敵に勝ったかと思えば、次の試合でアッサリ負けたりもするんですよね。

素人なので、ルールとか知らない場面が出てくるのも面白いですよ。絞め技で落とされたあとで「まいったの仕方がわからなかった」とか、もはやギャグでしょ。

主人公が柔道の初心者ですので、読み手側が柔道のルールを知らなくても楽しめるというポイントもgood。古い作品だからなのか『効果』もなかったりするので、ざっくばらんに読み進められますよ。

 

普通に負ける

コミックス 第2巻

スポーツ漫画の中でも、特に格闘技というカテゴリーの場合は顕著に「主人公が超人」という率が高いような気がするのですが、この柔道部物語の主人公は普通に負けますし、スランプみたいなものに陥ったりもします。

べらぼうに強すぎるスーパーマンのような主人公じゃないという点だけでも、めちゃくちゃ好きなんですよね。「どうせ勝つんでしょ?」という目線では読み進められません。

そういう意味では、試合のシーンがあると「勝つか負けるか」という部分でもドキドキできるんですよね。勝つと思って読んでたのに、普通に負けたりとかしますから。しかも、激闘の末に負けるとも限らず、本当にアッサリ負けたりするんですよ。

推理小説なんかでもそうですけど、基本は「犯人がわからない面白さ」で、イレギュラーなケースで「犯人はわかっているけど、肝心のトリックが暴けない」という古畑任三郎みたいなパターンだと思うんです。

スポーツものやバトルものも一緒で、基本は「勝てるかどうかがわからない面白さ」だと思うんですけど、そういう作品は少ないような気がします。そういう意味でも、この柔道部物語は非常に面白いと言えるでしょう。

 

進化の瞬間

コミックス 第4巻

初心者ならではの成長度というか、目まぐるしいほどの進化の速度も魅力の1つです。上記画像は、窮地に追い込まれた三五が自身の頭で考えて、自分の技を進化させた瞬間の画像になります。

それは、柔道を知らない人に対しても頭に入りやすいように、丁寧な伏線とフォローによって、読んでいると自然と頭に入ってくるので、技名やルールを知らなくても平気です。

また、上項でも書きましたが、本作は「負けるときは普通に負ける」ため、逆転できるときと逆転できないときがあります。そういう前提が、進化の瞬間をより引き立てていると言っても過言ではないでしょう。

作中では、凄まじい勢いで成長を遂げる三五に対し、ライバルの人間が「普通の人は足し算で成長していくけど、アイツは掛け算で成長していく」と語っているシーンがあるのですが、こういうこじつけ遊び心も面白いですよね。

 

センスのある笑い

三段落ち

コミックス 第1巻

「一本勝ち→一本勝ち→一本負け」という見事な三段オチが完成した瞬間です。ここだけ見たんじゃ当然ワケがわからないかと思いますが、本作中では相手の技以上に見事にボケが決まっています。

普通のマンガであれば「弱い奴→弱い奴→強い奴」だと思うんですよ。真打ちというか大将が最後に控えてるといった『最終兵器感』が、読者の期待を加速させると言うんでしょうか。

この柔道部物語では1番強い人間が先鋒で試合をしたりもするので、一種の『掟破り』のような面白さもあるんですよね。そういう意味では『個人戦』と『団体戦』で見方が大きく変わってくるのも、本作の大きな魅力だと思います。

ちなみに上記画像は「俺達のすげぇとこ見せてやれ」→「おう、まかせときな」からの見事な一本負けでした。エッジの効いた前フリもさすがです。

 

丁寧な前フリからの大オチ

コミックス 3巻

前フリの段階からクスクス笑いが止まりません。こんなん絶対おかしいですもん。「随分とまぁ丁寧に前フリしてるなぁ」と思って。完全に死亡フラグみたいなのが立ってますし・・・。

三五が急成長してきて、遂に先輩の3強のうちの1人が動いた瞬間でしたが、一瞬のうちに2強になってしまいました。追い打ちをかけるように、2強の1人のセリフが目に染みます。

たぶん「ぐぅの音も出ない」ってこういうことでしょうね。この作品を読んでいると「柔道って面白そうだなー」って思いますよ。中学に入って「柔道の授業が嫌だなー」って思っている人に読ませたらいいと思います。

そして『冷静なツッコミ』も大きな魅力です。「背負いの返し方を教えてやるんじゃなかったのか?」とか、字数的にも文章的にも1番突き刺さるのではないでしょうか。そんなん言われちゃったら何も言い返せません。まさに「ぐぅの音も出ない」って感じですね。

 

あるある①

コミックス 第1巻

文化部でもあるのかな・・・。とりあえず運動部や体育会系に所属していた人なら、間違いなく「ある!ある!」と叫んでしまうような描写も多いです。

自分たちの天下になった瞬間にはしゃいでみたりして、その姿が先輩に見られてて怒られるっていう情景は、夏の風物詩みたいなもんですよね。え?違う?

この作品はとにかく手数も多いんですけど、なにより『無言のコマ』の使い方がメチャクチャ上手いと思います。シュールとかじゃなくて、ちゃんとした笑いになってると思いますし、とにかく面白いです。

多分「状況が簡単に想像できる」という部分も大きいんだろうなぁ。柔道部とか、こういうシーンありそうですもん。普通は「陰口を聞いてしまった」というようなシリアスなシーンに展開しがちですが、このマンガではしっかりと次コマで先輩が後輩を追いかけ回してましたよ。

 

あるある②

コミックス 第5巻

こういう場面は意外と多いんじゃないかと思います。それこそ『無礼講』みたいな空気で悪乗りしすぎたとか、簡単に思い付くところで言ったら『サヨナラホームランを打った後のホームイン』とか『ビールかけ』とか。

ふとした瞬間に先輩のスイッチが入ってしまったりして、本当に焦るんですよね。周りで見てる分には面白いですけど。こういうシンプルな笑いも大好きです。「叩いてしまった瞬間の調子に乗ってる顔」と「やっちまった感が満載の顔」のギャップで、メチャクチャ笑わせてもらいました。

 

上手い系

コミックス 第3巻

「え!?そういうのもできるの!?」という瞬間です。ちびまる子ちゃんなんかでよく使われる「ナレーションで笑わす手法」ですよね。そう考えたら、柔道部物語は本当に技のデパートですよ。

技と肉を掛けているのも秀逸です。絵がまた腹立つ感じで上手いじゃないですか?先輩が引いてる感じの描写とかすごく秀逸だと思います。

ちなみにこの太った男は「手抜きの名古屋」という異名を持つ男で、サボリの天才です。柔道では一切の活躍を見せませんが、笑い要素に関しては絶大な存在感を放っているので、読む際はぜひとも注目してみてください。

それにしても「技を身に付けず、肉を身に付けたのだった」とか、上手すぎるでしょ。本当にニクいね!

 

テンドン①

コミックス 第3巻

コミックス 第3巻

「おならのニオイで気絶してしまうシーン」のあとに、少ししてから「先生の息子を見て気絶してしまうシーン」が続きます。普通に読んでいると「さっきもこんなん見たぞ!」という、呆れにも近い笑いが起こること間違いないです。というか、この女の子の間の悪さですよね。

本作は柔道部が題材になっていることもあり、時折それなりの下ネタや下品な描写も出てきますが、そこまでひどくはありません。むしろマイルドと言っていいでしょう。ドン引きしてしまうような下ネタは無く、笑いを取るのにも下ネタに逃げたりしていないので、誰が読んでも面白いと思いますよ。

 

テンドン②(世代を超えたテンドン)

コミックス7巻

コミックス 第8巻

「非常にインパクトのあったシーンであれば、時間が経過しても脳裏に焼き付いている」ということを存分に利用している非常に上手いシーンです。

いつぞやの大先輩が言っていたのと同じことを、今度は後輩から聞くなんて夢にも思わなかったでしょうね。ちょうどギリギリ覚えてるってくらいのタイミングで出してくるあたり、流石です。

『しかし・・・・』というのも、またいいフリしますよ。なんかやってくれる予感がひしひしと伝わってきます。

 

お涙頂戴

ケガ

コミックス 第10巻

スポーツにケガは付き物です。わかってはいても本人や部員たちにとっては、簡単に割り切れるものではありません。

しかも、それが最後の大会に間に合わないと聞かされたときの絶望感と言ったらないです。本人にとっては「今までの努力が・・・」と悲壮感に包まれ、途方もない虚無感に襲われてしまうことでしょう。

仲間のケガを踏まえて、周りがどう動くのかを含め、友情や絆という部分も大きな見所です。ちなみに、本作におけるケガの描写は、よくありがちな『お涙頂戴』の演出には使われていません

他のマンガであれば「ケガを黙って試合に出場」とかやるんでしょうけど、柔道を題材にしていることもあって、その辺は非常にシビアに描かれているんですよね。

 

引退

コミックス 第7巻

もちろん笑いだけではなく、スポーツ漫画ならではの感動的な要素も多く含まれています。『引退』なんてものは、嬉しいようで寂しい瞬間の代表格と言えるでしょう。

3年間の嬉しかったことや辛かったことが、すべて集約される瞬間と言っていいかもしれません。引退する本人たちはもちろんそうですが、残される者たちにとっても思うところはあります。

それを「目の上のたんこぶが取れた」と思うのか、それとも「もう甘えは許されない」と捉えるかは人それぞれです。いずれにしても『感動する瞬間』になることは間違いないですね。こういう瞬間が、スポーツ漫画には欠かせない要素だったりもすると思います。

 

劇的な勝利

コミックス 第5巻

「長年に渡って苦汁を飲まされ続けた相手に、ようやく勝てた瞬間の喜び」なんてものも、スポーツ漫画ならではの醍醐味ではないでしょうか。『前評判を覆しての勝利』や『劇的な逆転劇』など、スポーツにおける多くの感動する場面が、多数押さえられています。

なかでも、勝つのは厳しいと思っていた場面で勝てた時の歓喜の姿は、見ているこっちがガッツポーズをしてしまいそうになるほどです。選手たちの喜ぶ顔が、見ていて気持ちいいですよ。

 

25年ぶりの続編!!

なんと25年ぶりに「女子柔道部物語」として、続編が連載開始しました。第1巻の最初の方には、三五十五の姿も見れますよ。

日本女子柔道界に初めての金メダルをもたらした恵本裕子氏が原作になっていて史実に基いたストーリーになるかとは思いますが、キレのあるギャグや躍動感に一切の衰えはありません。

柔道部物語を知っている人もそうでない人も、漫画好きなら絶対に押さえて欲しい作品です。

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最後に

とにかく多くの魅力に溢れている『柔道部物語』は、多くの人に知ってもらいたいマンガの1つです。柔道という競技の知識が全く無くても、普通に楽しめるのも大きな魅力でしょう。

笑いあり、涙ありの3年間は、いつ見ても「素晴らしい」の一言に尽きます。とにかく「読めばわかる!」ただそれだけです。11巻という決して長すぎないボリュームなので「休みの日にkindleで一気読み」というのが可能な点も嬉しいポイントですね。

気になったという方は、是非とも読んでみてください。気にならなかったという方も、読んでみてください。・・・絶対に損はしないはずですよ。

 

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