個人的に漫画を読むタイミングと言えば寝る前と決まっているので、好き好んでグルメ漫画、料理漫画の類は読んでいませんでした。そんな私が一気にグルメ漫画の虜となるキッカケをくれたのが「バンビ~ノ!」と呼ばれる作品です。
とにかく熱い!グルメ漫画(正確にはグルメバトル漫画かな?)における困難って、理不尽ないじめにあったり、無茶難題を吹っ掛けられてそれを主人公が創意工夫して乗り越えるってパターンがセオリーだと思うんですけど、本作はベクトルが全く違います。
というわけで今回は、とにかく多くの人に読んでもらいたいと思えるグルメ漫画の名作「バンビ~ノ!(全15巻)」「バンビ~ノ!セコンド(全13巻)」の紹介です。
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Contents
料理人を目指す青年(下積み時代)を描いた作品
コミックス1巻
主人公は九州男児(大学生)です。地元では料理店でバイトしていて、そこの店長からのススメもあって六本木のイタリアンレストランにヘルプに行ったものの、全く戦力になれずに悔しい思いをするところから物語は始まります。
私の中でのグルメ漫画と言えば、食戟のソーマのような「どっちが美味しい料理を作れるか対決」とか、美味しんぼのような「料理に関するうんちく」が大きな魅力だと思うんですけど、本作はドキュメンタリーに近いと思いますね。
自分では割りとできる方だと思っていたのに、コテンパンに叩きのめされ、このままでは引き下がれないという意地で困難に立ち向かっていく物語です。
「バンビ~ノ!」の見所
理不尽に嫌な奴は少ない
コミックス1巻
グルメ漫画というか漫画全般に言えることですが、理不尽に嫌な奴って出てくるじゃないですか?それも「そんな嫌がらせするやつ、滅多にいねーよ!」レベルのやつ。
料理学校に通おうもんなら「俺に負けたら土下座して学校を辞めろ」みたいな煽りをしてくる奴のことですね。本作にはそれがほとんどいません。
ちょっと嫌な奴(正確には苦手な奴)みたいなのは出てきますけど、決して理不尽じゃないし、現実にもいそうなレベルです。会社や同じ部活に1人はいそうな感じで、過剰じゃないのがいいですね。
主人公の愛されキャラクター
コミックス1巻
何と言っても主人公が好きになれなきゃマンガは面白くありません。そういう意味でも「バンビ~ノ!」はメチャクチャ熱いグルメ漫画です。
主人公は「自分に何が足りないのか」を考えられます。頭ごなしに怒られても感情的にはならず、頭で考えて行動し、少しずつ成長していくんですけど、そのプロセスがメチャクチャ面白いです。
主人公が一皮むけるたびに「よっしゃーっ!」って言いたくなるマンガってそうそう無いじゃないですか?本作の主人公は、メチャクチャ応援したくなりますよ。
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レストランの裏側が覗ける
コミックス3巻
多くのシェフを抱えるレストランだと色々な役割があります。本作の主人公は、厨房で働いたり、接客に回されたり、デザート部門に回ったりなど、とにかく色んなことを経験していきます。
それぞれに役割があって、どれが1番とかじゃないんですよ。マンガとは言え、その一連の流れが楽しく見られるのは非常に貴重な体験です。
それから仕事なんかでも「この仕事はいいけど、この仕事はやりたくない」とかあるじゃないですか?別に仕事じゃなくても、学習発表会の劇でやる役でも何でもいいです。本作の主人公も、最初は「料理がしたくてここに来てるのに、なんで接客なんかやらなきゃいけないの?」と思うんですよ。
そこでも腐らずに邁進していく姿がメチャクチャ響いてきます。ホールでの接客を知ることで料理に深みもでるんでしょうね。
「バトル漫画かよ!」くらいの迫力
コミックス1巻
本作を読んでいて1番驚いたのは、状況によって絵のタッチが大きく変わる部分です。料理なんかは繊細に描かれているのに、厨房の絵となったら力強くて「バトル漫画かよ!」って言いたくなるほど。
セリフとかなくても忙しさが伝わってくるというか、鬼気迫る感じがなんとも言えません。所々で使われている九州弁(福岡弁かな?)の武骨な感じもいいし、イタリア語の響きもカッコイイです。
バンビーノは2部構成
1部作は主人公の下積み時代を描いた作品。2作目は主人公が少し出世して、部下ができてからの姿を描いた作品です。下っ端には下っ端の、上司には上司の悩みが見えてきて、とても面白いです。
個人的には1部が最高過ぎて、2部になってから「う~ん」と思う場面が多かったかもしれません。それを差し引いても、全体を通してメチャクチャ面白いグルメ漫画だと思います。
最後に
私はこれまでに色々な漫画を読んできていますが、グルメ漫画に関しては「バンビ~ノ!」が1、2を争うくらい好きです。絵も綺麗だし、ストーリーも面白いし…。言うことないですね。
普段はグルメ漫画を読まないという人も、是非読んでください。あまりに面白すぎて、意味なくパスタブームとか来ますよ(絶対とは言ってない)。