元自衛官が読んでも面白い!自衛隊マンガ「ライジングサン」を紹介する

私は20代の頃、数年間ではありますが自衛官でした。辞めた当初は「もう二度と迷彩柄なんか見たくねぇ!」くらいの感じだったのですが、ようやく最近になって自衛隊に居た頃の呪縛というか嫌な習慣みたいなものが抜けてきたように思います。

そして遂にはあんなに嫌だった自衛隊を題材にしたマンガを読みながら懐かしさに浸る始末。これは腕立てを何回しても足りないくらいの愚行です。・・・という冗談はさて置き、自衛隊を題材にして描かれている「ライジングサン」は、元自衛官から見ても非常に上手く描かれています。

もし私が自衛隊の入隊を控えている立場だったとしたら、間違いなく読んでおきたい1冊と言えるでしょう。今回は、自衛隊に興味がある人にはぜひ読んで欲しいマンガ「ライジングサン(全15巻)」を紹介したいと思います。

著:藤原さとし
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目次

ライジングサンってどんなマンガ?

自衛隊とか刑務所って実態が見えてこないじゃないですか?だから誰しもが中を覗いてみたいって少しは思うはずなんです。実際に自衛隊を特集したテレビなんかでは厳しい訓練を見せたりして、さも「自衛隊は毎日こんなキツイ訓練をしていますよー」みたいに見せてますけど実際はそうでもなかったり・・・。

本作は大袈裟な感じに表現している部分も少なくありませんが専門的な知識なんかもしっかり載っていて、現役の自衛官の人が読んでもそこまでダメ出しするような内容ではないと思います(実際に自衛官はテレビで敬礼しているタレントを見ると「あの敬礼違くね?」などのダメ出しをする人が多いです)。

よく「春から自衛隊に入隊します!」というような人が「入隊までに何かやっておいた方がいいことってありますか?」という質問をしたりすると思いますけど、私からしたら「このマンガを読んで、あとは思い残すことがないくらい遊んどけ」って感じです。

ライジングサンを楽しむポイント

遅刻1秒につき腕立て1回

コミックス1巻

一般社会でももちろんそうですが自衛隊も時間にはうるさいです。その際の罰則は「1秒の遅刻につき腕立て伏せ1回」であることが多く、たまにとんでもない数になることもあります。上記画像のシーンでは5分遅刻してるので、300回の腕立て伏せをしなければなりません。

「腕立て300回もできねーよ!」って思うじゃないですか?現役自衛官でもそんなんできる人いません。中にはいるかもしれませんけど、私が見てきた自衛官の中にちゃんとした正規のやり方で一度に300回もの腕立て伏せをできる人はいませんでした。

「無理を承知でやらせる」とか「しつけ」という意味合いが強く、できるかどうかよりもやろうとするということの方が重要なんだと思います。そして腕立て伏せにもやり方は色々あるので、その辺の要領の良さも重要だと思います。

体力検定

コミックス1巻

この辺もしっかり描かれています。もし「自衛隊に入りたい」と思っている人がいたら、とりあえず筆記の勉強とこのマンガ読んどけって感じです。上記画像にもあるように体力検定は6種目あります。

意外なのが「ボール投げ」なんですよね。たぶん手りゅう弾を投げるからだと思うんですけど、最低基準が40メートルだったかなぁ・・・。筋肉ムキムキで足も速くてスーパーマンみたいな奴が、ボールを投げる時だけ女の子投げで体力検定に落ちるなんてのも一種のあるあるです。

私は入隊時、順手の懸垂というものをしたことがなくて、最初の検定で0回だったのを今でも覚えています。それが3ヶ月後には8回できるようになっていたので、まぁ最初出来なくてもなんとかなるということで。

現実世界の自衛隊では体力検定の基準と項目が見直されました。

隊員同士の友情

コミックス1巻

本作では適度に衝突しながらも、友情が育まれていく様子みたいなものが上手く描かれています。個人的には大げさにはなっていないと感じました。教育中は「自分でギブアップしない限り、どんな奴でも見捨てたりはしない」というのは本当だと思います。

不思議なもんで、この教育期間中が辛ければ辛いほど良い想い出になるんですよ。大体が熱い人間ですし、このあたりは大きな見所と言っていいでしょう。

朝の点呼

これは今でも覚えていますが、妙にリアルに描かれています。6時に起きて着替えて、すぐさま集合場所に行かなきゃいけないんです。たまに寝ぼけてて戦闘帽をかぶるのを忘れたりとかした日には、膀胱がパンパンの状態で腕立てです。すごくリアリティがあって面白いと思いました。

いじめ

コミックス2巻

自衛隊のことで「いじめ」って気になりませんか?私が思うに自衛隊に限らずいじめって無くならないと思うんですけど、自衛隊の場合は特に閉鎖的だし、何より「先輩の言うことは絶対」みたいな空気があるので、いじめの温床みたいな部分もあるんじゃないかと思います。そして教育期間はかなりしごかれるのが通例なので、人によってはいじめのように感じてしまうかもしれません。

実際に私が在籍していたときも、隣の部隊の人が首を吊ったということがありました。噂ではいじめだったようで色々とアンケートみたいなものを書かされたりもしましたけど、正直「捉え方次第」みたいなところがあるので難しいんです。

ちなみに上記画像のような明らかにセクハラみたいな嫌がらせは見たことがありません。飲み会の際中にどさくさに紛れて身体を触ったりキスしたり的なものは何度か見たことがありますが、訓練中のセクハラはほとんど無いのではないでしょうか。ここはマンガらしさを出すための演出だと思います。

最後に

「実際の自衛隊と比べてどうか?」という部分については部隊によって状況がピンキリなので何とも言えませんけど、概ね遠くないと思います。すごくリアリティがあって懐かしさを覚えるくらいでした。もし自衛隊に興味があるという人はぜひ読んでみてください。

著:藤原さとし
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