タイトルに驚愕!「午前3時の無法地帯」という恋愛漫画を紹介する

「ジャンルは?」と聞かれると答えるのが非常に難しいのですが、ねむようこさんが描いた『午前3時の無法地帯』というマンガが非常に好きなんです。ポップで優しい絵のタッチもそうなんですが、なによりもタイトルに驚かされまして、一気に心を持っていかれてしまいました。

午前3時の無法地帯…。テーマとしては非常に合っていて「なるほどなぁ」と思わずにはいられないセンスが光ってるんですけど、自分自身では絶対に思い付かないタイトルなんですよね。でも非常にしっくりしていて、本作品のタイトルは間違いなく『午前3時の無法地帯』です。これは間違いありません。

主なテーマは恋愛になるんですかね。「仕事あり、恋あり、浮気あり、まさか禁断の恋も!?」というような、非常にアダルティーな内容なんですけど、主人公がわりとサバサバした性格&非常に可愛らしい絵のタッチということもあって、読んでいても嫌な気持ちにはなりませんし、メチャクチャ面白いんですよ。

今回は『タイトルに驚愕!「午前3時の無法地帯」という恋愛漫画を紹介する』と題しまして、本作品を全力で紹介していきたいと思います。

目次

ストーリー

コミックス1巻

専門学校を卒業して、晴れてデザイン事務所に就職した主人公ももこの波乱万丈(!?)な日常が描かれています。自身が思い描いていた未来予想図とかけ離れている現実に疑問を持ちながら、ただでさえ慣れない仕事に追われ「こんな仕事やめてやる!」と思いつつも、そこにやりがいを見出していくという物語です。

多忙な毎日に追われるがあまり、彼氏との関係が疎遠になってしまったり、徐々に女子力を失っていくももこ。あっけなく失われた恋と突如舞い降りた新しい恋。毎日のように締め切りに追われ、堪らず「辞めてやる!」と言ったものの、なかなか仕事を辞めると言い出せなかったり、思い切って言ってもすぐ撤回してみたり・・・。

ももこは今日も、仕事が終わったときの達成感や新しい恋、美味しいランチを活力剤に歩き続けます。

 

面白いポイント

理想と現実

コミックス1巻

世の中の大半の人が「こんなはずじゃなかった!!」と思うんじゃないかと思うんですけど、理想通りの会社に就職できた人ってどのくらい居るのでしょうか。正確なデータを見たわけじゃありませんが、恐らく相当少ないと思うんですよね。

本作の主人公であるももこも、デザインの専門学校を卒業して憧れのデザイン事務所に就職を決めたものの、そこは「パチンコの宣伝資材を作る会社」だったというスタートを切ります。パチンコが好きなわけでもないももこは「なんか思ってたのと違う!」と思ってしまい、思わず「こんな会社、辞めてやる!」となるわけです。

実際に辞めないにしても「もう辞めてやる!」って思うのは、ごく自然なことなんじゃないかと思うんですよ。たぶん「理想と現実」に戸惑う部分は、多くの読者からの共感を得るのではないでしょうか。

 

恋物語

コミックス1巻

慣れないうちはどんな仕事だってキツイものですが、締め切りに追われるような業種に関しては、特にキツイような気もします。

ももこも例外ではなく「家(彼の)=寝る場所」のようになり、彼との関係もどんどん疎遠に。・・・彼としても彼女が自分のベッドを使って寝るためだけに家に来たら、そりゃ迷惑ですよね。そりゃ浮気のひとつもしたくなるでしょう。

そんな彼の浮気現場を目にしても特に泣きわめくわけでもなく、ただ一言「仕方ないか」と言いながら、街角のパチンコ屋さんのピンクののぼりに目を奪われるというサバサバ加減が何とも言えません。ここの描写は、非常にニクイ演出だと思いました。

そして、不意に訪れる新たな恋。通常の少女漫画とは全く異なる、少し大人の恋愛って言うんでしょうか。出会いのキッカケとか好きになった理由とか、多くの要素が『大人の恋』です。少し大人な恋愛漫画好きの人にオススメしたいですね。

 

仕事に対する姿勢

コミックス1巻

仕事じゃなくても何でもいいんですけど、例えば習い事とか部活動とか、ダイエットとかタバコ・お酒の類でも構いません。「絶対、辞めてやる!」っていう人に限って、意外と辞めない側面ってありませんか?私の経験上、意外と周りに「こんな仕事、辞めてやる!」って言っている人ほど続いてたりするものです。

仕事って楽しいものだと思ってやってる人って少ないと思うんですよ。・・・なんて言ったら語弊がありますね。言い直すと「仕事で嫌な思いをしても我慢しなきゃいけない場面って多い」と思うんです。

自分の中では些細なことなのに大袈裟に怒られたりとか、誰か別の人のミスなのに自分が頭下げなきゃいけなかったりとか、明らかに嫌がらせのようにも思えるような無茶難題を押し付けられたりとか。仕事が嫌になるタイミングって誰しもあると思うんです。

でも、その仕事にやりがいを感じている人も少なからずいるわけで、自分にとっての「こんな仕事」を誇りに思ってやっている人もいるんですよね。そのあたりの距離感と言うか、ももこの気持ちのアンバランスさも大きな見所と言っていいでしょう。

こんな人にオススメ

コミックス3巻

  • 新社会人
  • 大人の女性
  • 一味変わった恋愛漫画が読みたい人
  • 夢や希望がテーマの作品よりも現実志向の作品が好きだという人
  • 「女捨ててるんじゃね?私」という女性、そしてそんな女性を愛おしく思える男性

多くの人に読んでもらいたい作品なのですが、Amazonに寄せられているレビューの中にはかなり辛辣なものもありましたので、当然ながら「人によっては面白くない」ということなんでしょう(当たり前と言えば当たり前ですが)。

私自身は面白く読ませてもらいましたが、通常の恋愛漫画・少女漫画とは一味違った作風と言っていいかもしれません。テーマが恋愛だけではなく仕事にも大きく向いているため、恋愛に関して事細かに描かれていないという面では大味の作品だと思います。

「特にどの層にオススメか」と言われれば「学生から社会人へと足を踏み出し、大きな期待と不安の中、慣れない仕事や時間に追われているという新社会人の若い人たち」にオススメですね。それ以降の大人の人が読んでも「自分にもこんな時代があったなぁ」と懐かしさを感じながら楽しめるのではないでしょうか。

 

全3巻の読みやすいボリューム

個人的には「もっと読みたいと思うくらいが丁度良い」と思っているのですが、本作品に関しては「もうちょっと読みたかったなー」という感がぬぐい切れません。それでも、全3巻を通じての疾走感はハンパ無いです。

また、本来であれば1000円くらいする本がkindle版だと格段に割安になっているので、全巻揃えても価格以上の満足度が得られることは間違いないでしょう。ちょっとしたお休みの日に一気に読破できる手頃なボリュームです。

正直「続きが気になって仕方ない」という作風ではないにも関わらず、読むのを止めるタイミングを失わせる作品だと思うので、全3巻というのは逆にいいのかも。

中だるみもありませんし、最初から最後まで面白いですよ。割と短編で完結済みの漫画を探しているという人がいれば、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか?

 

最後に

少しテイストの異なる恋愛漫画ですが、読破した後もなお、タイトルの「午前3時の無法地帯」というネーミングセンスには本当に驚かされます。

どんなマンガでも、タイトルは「こっちの方がしっくりくるんじゃない?」とか「もっといいタイトルあったんじゃない?」なんて思う作品もあるじゃないですか?本作品はバッチリ決まってますね。まさにホールインワンと言ったところです。

扱われているテーマこそ「キュン死」などとは程遠い作品ですが、仕事に疲れている人の共感が得られるのではないかと思います。興味のある人はぜひ読んでみてください。

 

 

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