(2017/09/28内容更新しました)
追い炊き機能付きのボイラー・給湯器であれば、ぬるくなった時に追い炊きをする機会も多いと思います。しかし「42℃設定にしているのにも関わらず、実際はぬるい」もしくは「設定温度に対し、極端に熱い」という修理依頼が非常に多いです。
その内容は体感的なものによる微々たる差から、明らかに故障を疑うほどの温度差まで様々ですが、中には簡単に解決するパターンも少なくありません。
また、お客さんの中には、42℃設定にしてお風呂を沸かし、実際の水温計で測定した温度が41℃ということで不良品だと訴える人もいました。
なかなか追い炊きのメカニズムについては知られていないので、今回は『「お風呂が設定温度よりぬるい」のはボイラーの故障なのか』について書きたいと思います。
お風呂の温度の測定位置
意外と知られていないのですが、ボイラーで追い炊きする際、設定温度に達したかどうかを測定しているのは浴槽内ではありません。
機械によってまちまちですが、循環ポンプの手前であったり、熱交換器に入る前であったり・・・いずれにしても温度を計測しているのはボイラー機器内です。
多くのお家ではボイラーの設置場所と浴室は近いことが多いですが、どんなに近くても1メートル~2メートルは離れているので、誤差が生じてしまうのは必然です。
そのため、例え新品のボイラーであっても「42℃設定にしていれば42℃ぴったりになる」というものではありません。
設定温度よりも極端にぬるい場合
※上記の商品を『循環金具』といいます。浴槽側からは銀色の部分(フィルター)しか見えません。
フィルターはしっかり付いているか
浴槽内に循環金具のフィルターが付いているかと思いますが、お風呂を掃除する際にそのフィルターを外して掃除した後、斜めに取り付けてしまったということが多いんですよね。
ボイラーで温められたお湯が浴槽内まで循環しなくてはならないにも関わらず、フィルターが斜めに付いてしまっていることで、そのフィルターに跳ね返るような形でそのままボイラーに戻ってしまっている場合、温度が低いにも関わらず追い炊きが止まってしまうことがあります。
理屈を簡単に説明すると、温めた設定温度の熱いお湯が浴槽に入る前に金具に跳ね返ってそのままボイラーに戻ってしまうので、ボイラーが「設定温度に到達した」という勘違いを起こしてしまっているんです。
この場合は、しっかりとフィルターを付け直すことで解決するので、まずはコチラを試してみてください。
フィルターは綺麗か
フィルターに大量のゴミが付着している場合にも、同様のことが起こることが多いです。本来であれば、浴槽内まで行き届かなくてはならないお湯が、フィルターのゴミのせいでそのままボイラー側に戻ってしまうパターンです。
これはフィルターを掃除してあげることで改善することがあります。もし汚れがひどすぎてボイラー機器の中までゴミが詰まっている場合は、大幅な修理が必要になる場合がありますが、そうならないためにもフィルターはこまめな掃除を心がけましょう。
そして、装着し直す場合は角度が斜めにならないように注意してください。
循環金具自体の不具合
フィルターはしっかり装着されていた場合でも、循環金具自体が古い場合は、それそのものが経年劣化している可能性があります。循環金具はパッキン部分にゴムが使われているものも多く、ゴムは熱に弱いのであまり長持ちするような物でもありません。
しかし、ボイラーを買い替える際にセットで交換するという場合は非常に少なく、循環金具は「不具合が生じてから交換する」という場合が多いので、見落としがちな部分とも言えるでしょう。
フィルターをしっかり付け直しても改善しない場合は、ボイラー機器の不具合か追い炊き配管の不具合、または循環金具の不具合の可能性が非常に高いため、専門の業者に依頼することをオススメします。
メーカーのサービス業者は『ボイラー機器の修理業者』であり「配管や循環金具は機器外であるため、別の業者にて対応」という場合もあるので、注意してください。
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配管汚れ
上記で『ゴミが原因の場合』について触れましたが、髪の毛や衣類の繊維以外でも、皮脂汚れや入浴剤の成分によって不具合が生じている場合もあります。
配管自体が詰まっていたり、機器内部の熱交換器が詰まっているせいで正しく熱交換されていないことも少なくないでしょう。
特に乳白色系の入浴剤を使用した場合、温度を計測する部品に膜を張ってしまい、その測定精度を著しく低下させる場合があります。
その場合は、洗浄作業が必要になりますが、程度の軽いものであれば市販されている洗浄剤で改善する場合があるので、試してみるのも1つだと思いますよ。
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入浴剤の使用について
前項でも軽く触れましたが乳白色系の入浴剤を使用してしまうと、給湯器に影響が出てしまう場合があります。0か100かで語るのであれば、入浴剤は使用しないほうが機器自体は長持ちします。
とはいいながらも、入浴剤にも色々あって限りなく影響の少ないものも多いので、そういうものを選んで使用する分にはそこまで問題ないでしょう。
その区別は「入浴剤を入れた浴槽内に物を落としたと仮定して、その物がどこに落ちたかがわかるかどうか」で判断するのがオススメです。
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最後に
今回ご紹介したのはあくまでほんの一部ですが、お風呂の追い炊きの温度うんぬんについては『使用上の不具合』であることが非常に多いです。
そして、修理に行って簡単に直してしまうと、お客さんのほとんどが「この程度のことにお金を払うのが馬鹿馬鹿しい」という感覚になっているのを感じます。
はっきり言ってこの手の不具合の場合は、機械の不具合であることとそれ以外の不具合であることが半々くらいなので、フィルターはちゃんとついているかなどの簡単な部分については、修理業者を呼ぶ前に確認してみてはいかがでしょうか。