【嘘喰い】嘘喰い面白すぎ!エアポーカーって発想が天才的だと思う件【ネタバレ】

私が楽しみにしているマンガの1つに『嘘喰い』という心理戦・ギャンブルを描いたマンガがあるんですけど、もうメチャクチャ好きなんですよ。ちょうどこの文章を書いている今、単行本の最新刊が43巻でして『エアポーカー』というギャンブルをしています。

この『エアポーカー』なんですが、簡単に言うと「水の入った水槽の中で空気を賭けて勝負する」ってギャンブルなんです。もはや発想の常識を逸脱しているというか何というか・・・よくもまぁ、こんなこと思い付くなぁと。

しかも駆け引きが秀逸すぎて非常に複雑なんです。『嘘喰い』のギャンブルは毎回複雑ですけど、今回のエアポーカーに関しては、紙に書いたりしないと本当にキツイ。正直、3回も4回も読み直してようやく理解しました。とにかく奥深くて駆け引きがハンパ無いんです。

今回は『エアポーカー』の対決に焦点を絞って、嘘喰いの面白さ、魅力について書いていきたいと思います(トップ画像はコミックス40巻)。

目次

エアポーカーとは

デスマッチ

満々に水が注がれた空間の中で「空気の入ったチップ」を賭けて勝負します。単位はBios(作中における仮想通貨)で、個人差はありつつも1Bios当たり約5分もつようです。

それを25枚ずつ与えられるので、それを賭けて戦い、空気が吸えなくなって溺れた方(つまり死んだ方)が負けというルールになっています。極端な話をすれば「空気消費量が少なければ、ギャンブルで1Bios負けていたとしても、最終的に生き残れる可能性がある」という不確定な部分も見所の1つです。

 

エアポーカーでの『死』とは

でっかい水槽みたいな中に水を注いで対決するんですけど、椅子に座って足枷が付けられた状態で戦います。呼吸が出来なくなった場合、筋肉から力が失われ、椅子に座っているということが出来ない状態になるでしょう。

相手の体が椅子を離れて10秒経過すると、足枷を外すための鍵が手に入り、それで足枷を外すことで上部の水の無いスペースで呼吸ができるようになっています。

しかも、作中では丁寧に「エアポーカーにおける死の定義」についても説明してくれているんです。

  1. パニック
  2. 弛緩(←ココ)
  3. 終末
  4. 停止

「空気が吸いたくても吸えない状況」→「チアノーゼ」→「意識を喪失」など、事細かに説明があるんですけど、ハッキリ言って想像しただけで怖いです。

こっちはソファーでゴロゴロしながらマンガを読んでるだけだからいいんですけど、もし当事者だったとしたら、精神的に揺さぶられて一気に2Biosくらい消費してしまうかもしれません。

嘘喰いに限らず、心理戦・ギャンブルを描いたマンガで人気のある作品は、この「読者に想像させる」という部分が非常に巧みですよね。

 

肝心のルールは『不明』

コミックス 第40巻

『エアポーカー』とだけ聞かされて、何かしらの規則性がありそうなカード5枚ずつで勝負するという、一見『運否天賦』にも思える戦いが始まります(実際に初回の勝負は完全に『運』です)。

ちなみに最初の対決は「36 VS 15」で、相手が出した「15」が勝つんですけど、ここでは8Bios失うことになります。これがどれだけ焦るかって話ですよ。ルールのわからんカードゲームの最初の勝負で8Bios負けるって、精神的に結構なダメージだと思うんですよね。

ポーカーって言うくらいですから、何かがポーカーっぽいってことは想像できるかと思います。恐らくポーカーのルールを知っている人が、上記画像のような数字のカードを眺めていれば、肝心の規則性についてはすぐ理解できるんじゃないかと。

ただし、それに気付いたとして「どうやんの!?」って思いました。紙にも書けない、脳で記憶しておくだけで、この複雑な勝負をするって・・・。そのあたりは、良くも悪くもマンガだなぁとは思いますが、とにかく秀逸な伏線が溢れる対決となっています。

肝心のルールについては、コミックスを買ってご確認ください。エアポーカー編は、40巻(正確には39巻の後半からですが、40巻からでも十分)からです。

見所

水が注がれている間

コミックス 第40巻

カードが配られて、これから命を賭けた戦いが始まるわけですけど、もし自分だったらですよ?配られたカードを眺めて必死に規則性を探ろうとするに決まってます。もしかすると、足から徐々に水に埋まっていく状況に怯えて、何もできないかもしれません。

そんな中「10秒椅子から離れたら負け」という部分を「9秒なら離れてもOK」という解釈ができるというのがすごいんです。命が賭かってる勝負なわけですから、微量とは言え、空気を温存できるなら温存するに越したことはありませんからね。

この時点で、もしポーカー自体の勝敗がイーブンだったとして、残空気量は若干リードできるわけです。ちなみにこれを実行したのは対戦相手の方で、主人公である嘘喰いこと斑目貘は「くっ」と言ってます。

「その手があったか!?」と言わんばかりの表情を浮かべているわけですが、驚くのはここだけじゃないんです。実はこのシーンには、これ以上に驚くべき伏線があるんですよ。その真相を知ったとき、間違いなく「嘘喰い、おもしれー!」ってなるに違いありません。

 

規則性を見抜いた後

コミックス 第41巻

2戦目で嘘喰いが法則に気付いて、そこは勝利を収めるんですけど、なんかね・・・アレみたいですよ。「頭を使うと酸素の消費が激しくなる」みたいですよ。必死に考えるあまり、ゴボゴボいいながら長考する場面が目立つようになります。

しかも規則性がわかっていれば「場に出たカードのどちらが勝つか」に関しては、よく考えればわかるのですが、問題は「規則性がわかっているからといって、勝てるカードを出せるわけではない」というのがポイントです。

そこで、嘘喰いは「自分で解いた法則を相手に伝える」ということをします。一見すると「なんで教えたの!?」って思っちゃいますし、自分だったら絶対に教えてないと思うんですけど、お互いがルールを把握したうえで勝負した方が勝てると踏んだんでしょう。

戦いを傍観している人たちも「何で教えたんだ!?」みたいなリアクションをしていましたが、これについて俯瞰的な表現では、相手に対して「死神に引き摺り込まれた」という表現をしていました。

蓋を開けてみれば「相手が規則を見抜けていない状況で、適当に自分の切り札を出すことを嫌った」ということらしいので、理にかなっているのはわかりますけど、なかなかできることじゃないですよね。

 

裏の裏

コミックス 第42巻

心理戦を描いたマンガなどの表現で、裏の裏をかくというような「考えだすと、泥沼にハマってしまう表現」が、個人的にメチャクチャ大好きなんですけど、上記画像のシーンがそうです。

「私に思わせたいのだ」と悟ったラロ(対戦相手)ですが、そこまでラロが考えることを織り込み済みで、嘘喰いが演じているのだとしたら・・・。というか、そういう思考に辿り着くことはわかってるはずなんですよね。

実はこの勝負の場に着くより前に、指を1本失っている嘘喰いですが、それに対して「随分苦労したようだね」と言い放ったラロ、実は心の中では「ここまで必死に辿り着いたと私に思わせるために、彼はわざと指を落とした」と考えています。

そこまで石橋を叩いて渡るラロに対して、嘘喰いがどう欺くかというのが非常に秀逸なんですよ。ラロは「なにかしらの地雷(罠)がある」と考えていますし、実際に嘘喰いには切り札があるんです。

その「切り札を隠すための罠を偽装している」っていうんでしょうか。宝箱の鍵を巧妙に隠して、その中にニセの宝を入れておいて、実はその底板の裏に本物の宝が隠されているというか(夜神月がデスノートを隠したような感じのやつです)。

その一連の流れがメチャクチャ秀逸に描かれています。「なんでこんなこと思い付くの!?」と思わずにはいられない展開の数々が繰り広げられるんです。これは読まなきゃ損です。

どんでん返し

最後の最後に『大どんでん返し』が待っています。何でもそうですが、落ち着いた瞬間が1番罠にかかりやすいものですよね。小学生の頃に「遠足は、家に着くまでが遠足です」と言われたのを思い出しました。

この部分は実際にマンガを読んで欲しいと思います。本当に驚きの連続です。「『手に汗握る』ってこういうことなんだなぁ」と思うことでしょう。

 

驚愕の伏線

嘘喰いの伏線には本当に驚かされるのですが、今回は特に別格でした。コミックスでいうところの29巻のワンシーンが伏線になっているんですよ。

これは「この時点で、そういう演出を思いついていた」のか「それありきで、今回のような展開を作ったのか」どっちなんでしょうかね。

おそらく前者だとは思いますが、いずれにしても10巻以上前、それも名シーンと言えるほどのインパクトはなく、かと言って忘れるような感じでもないシーンを持ってくるという部分は、まさに鳥肌モノです。

 

最後に

大きく分類するとプロトポロス編の中の『エアポーカー』になりますが、最後までドキドキ&ワクワクしながら読み進めることが出来ました。むしろ「次の展開が早く読みたい!」と思ったほどです。

最初に読んだときは全くもって理解できなかったのですが、理解したら「すげー」としか言えません。メチャクチャ面白いです。心理戦が好きな人には絶対に読んで欲しいと思います。

この先、どうなるかはわかりませんが、徐々に『嘘喰い』のフィナーレが近づいているような演出が、垣間見えるようになってきました。ただ、筋書き通りに終わるような気がしないのも事実です。

この先、ますます面白くなっていくであろう『嘘喰い』、今後の展開に目が離せません。

 

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