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少しテイストの違う福本作品『告白 コンフェッション』のスリルがハンパ無い

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(2017/03/01内容追記しました)

「カイジ」や「アカギ」などのギャンブル漫画が有名な福本伸行氏が原作を担当し、「ジパング」「太陽の黙示録」などで有名なかわぐちかいじ氏が作画を担当した『告白 コンフェッション』というマンガをご存知でしょうか?福本作品と聞けば、大半が「ギャンブルを元にした作品」が連想されるんじゃないかと思いますけど、手に汗握るような感覚はあるものの、ギャンブルとは全く異なる世界観を持ってる作品なんです。

1巻完結という取っ付きやすいボリュームと巧みな心理描写が相まって、知る人ぞ知る名作という立ち位置の本作は、本当に面白い作品なので是非とも読んでみてほしいんですよね。というわけで今回は『告白 コンフェッション』についての紹介をしたいと思います。

※なるべくネタバレ無しで進めていくつもりです。少なくともフィナーレに関しては一切の言及はしていません。

 

簡単なあらすじ

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コミックス第1巻

簡単に説明すると、浅井と石倉という2人の男が雪山を登山中に遭難してしまい、そこでの『告白』を巡って恐ろしい展開へと発展してしまうという物語です。猛吹雪の影響で視界が悪いこともあり、石倉は足に重症を負ってしまいます。天候が良くなるような兆しもなく、1人では歩くこともままならない、宿泊予定だったはずの小屋も見当たらないこともあって、石倉は過去に同じ山岳部のメンバーだった女性を殺した過去を打ち明けました

この告白は石倉にとって「死を覚悟したうえでの最後の懺悔」のつもりで行ったものでしたが、その直後に泊まる予定だった小屋が見つかり、奇しくも2人が助かりそうな展開へと発展します。浅井は先ほどの告白を墓まで持っていくつもりでいましたが、石倉は「浅井が他言するのではないか?」と疑心暗鬼になり、どうにかして浅井の口を塞ぐことを考え始めるのでした。

 

見所

疑心暗鬼になる浅井

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コミックス

「いや、俺、別に誰にも言うつもりないし・・・」と言ったところで、果たして相手がそれを信じるかどうか。自分が相手の立場だった時、何を考えてどういう行動に移るか。言葉で確認しようにも、それすらも怖いというような疑心暗鬼に陥ります。「俺、さっきのこと忘れることにするから、お前も変なこと考えんなよ?」って言ったとして、乗っかってくれればいいですけどそうでなかった時のことを考えたら、なかなか打ち明けるのも難しいですよね。

この時の相手の行動の1つ1つが悪い方向にしか考えることができず、不安でいっぱいになった浅井の心理状態は、読み手側にも大きく伝わってくるでしょう。読み進めていくうちに自分の心臓の音が聞こえるというか、心拍数が上がっているのを体感できると思います。

 

精神的な疲弊

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コミックス

雪山を登ってきたわけですから肉体的にも非常に疲れていることが予想されますが、相手がどういう行動に移るかが予想できない以上、おめおめと眠るわけにはいきません

常に相手の動向に目を光らせている必要があります。この間に頭の中で様々な思考を張り巡らせることになるのですが、答えの出ない疑問について延々と考えることになり、疲れと不安は増す一方です。

 

ハプニング

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コミックス

相手はケガをしていて、片足が全く動かない状態です。「身体的にはこちらが優位」だという事実だけが心の拠り所だった状況でしたが、希望の芽を摘み取るようにしてハプニングが襲いかかってきます。

そのとき、自身の異変を相手に悟られてしまうことがどのような事態を招くのか、相手に悟られないようにするにはどうすればいいのか。まさにジェットコースターで徐々に登って行く瞬間のようなスリルが体感できますよ。

 

結末

物語の最初から最後まで、ダメな部分が一切ないと言っても過言ではありません。とにかく話の流れがよどみなく、次から次へとハラハラさせられてしまうというか、細かな心理戦のやり取りが巧みに描かれています。

そして何より圧巻なのは、最後の結末です。着地もしっかりしてくれますし、最後まで読んだら『告白』というタイトルも秀逸だと感じるはずです。

 

最後に

個人的にはステルスゲームかホラーゲームなんかで遊んでいて、物陰に隠れたりしているときに「見つかりませんように・・・」と祈っているハラハラ感みたいなものを大きく感じました。イイ意味でとにかく休まらないですし、終始ドキドキしっぱなしなんですよね。

1巻完結ということもあって、正直「もう少し見たかったなぁ」という思いもありますが、このスリルを保ったまま2巻以上の物語にするのは恐らく無理だと思うので、そういう意味でもベストの作品なんだと思いますね。福本作品ならではの「相手との駆け引き」も楽しめますし、腹の探り合いが好きだという人には是非とも読んでもらいたい作品です。気になった方はどうぞ手に取ってみてください。