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【ハチクロ】「努力する」か「諦める」か、あともう1つの答えってなに?【ネタバレ】

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今や少女漫画・恋愛漫画の金字塔と言ってもいいくらいの地位を確立した、羽海野チカ先生の『ハチミツとクローバー』ですが、本作には複雑な心理描写や数多くの伏線が描かれています。

それは主に『人の感情』なので、「これが正解!」と断言できるような答えは用意されていないのが普通ですが、大体は「手引きしてくれた先にヒントのようなものが置かれている」というカタチで、本作では巧みに描かれているんですよね。

その中の1つに「AかBしかない」と言いながらも「本当はCという答えもあったけど、あえて言わなかった」というようなシーンがありまして・・・。ハチクロファンの方ならおわかりになるかと思うんですけど、花本先生があゆに言った言葉です。

私は、その『C』が物語を大きく動かす『核』になるだろうと疑ってなかったんですよね。「最終的に竹本がはぐちゃんに告白してフラれて、努力するわけでも諦めるわけでもなく、『C』という道を選択するのかなー」とか。

本来、羽海野チカ先生が描いたものを私が見つけられなかっただけって可能性もありますけど、最後の最後までこの答えって出てこなかった気がします。

というわけで、今回は『「努力する」か「諦めるか」ともう1つの答えってなに?』というタイトルで、全力で考察していきたいと思います。

 

 

シチュエーション

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コミックス 5巻

商店街の人が結婚したことによって、それに触発されたんでしょうね。5人の男性があゆにプロポーズするわけですけど、あゆは困惑してしまい「真山を好きな自分」と「自分を好いてくれている5人の男性」を重ねてしまいます。

「仲良しでうまくいってたのに、どうして?」

「スキだとか何だとか…そんなこと言わないでさえくれたら」

言えば言うほど「真山もそう思ったんじゃないか?」という1つの疑問が明るみになってきて、竹本を病院送りにし、花本先生の前で泣きながら自分の気持ちを吐露したあゆ。・・・トロしたアユ?(←自分で書いてて引っ掛かった)

あゆは「自分が真山に言われて辛かった事を、今度は私がみんなに言うの?」「どうしたらいいの?先生」と助けを求めました。そこで花本先生が言ったアドバイスがコチラ。

「努力する」か「諦める」 か どっちかしかないよ 人間に選べる道なんて いつだってたいてい この2つしかないんだよ みんなには正直に自分の気持ちを話すしかないよ あとは向こうの決める事だ 努力するか諦めるか 彼らが選ぶんだ

先生らしい素晴らしいアドバイスですね。自分があゆの立場だったとして、ここまでハッキリと背中を押してもらえる親身なアドバイスって中々ないと思うんです。

例えば「好きな人にフラれた」という場合、「いつか振り向いてもらえるように努力する」か「諦めて別の人を探す」かという2択のことを指してるのではないでしょうか。

当たり前っちゃ当たり前ですけど、変に優しいだけじゃなくて厳しさも兼ね備えた、重みのある言葉だと思いました。普通ならコレで終わりなんですよ。後は読者サイドとしましては、あゆがどういう答えを出したか見届けるだけなんですけど、問題はこの後でして。

このときひとつ嘘をついた 3つあったんだ 選択肢はほんとうは -でも2つしかないと信じていた方が道はひらけるから  3つめの答えを僕は口にしない

実際に喋ったセリフではなく、花本先生の頭の中の描写です。「努力する」か「諦める」かどっちかしかないんじゃないの!?!?!?

ハチクロは少女漫画でありながら、1つの文学作品と言ってもいいと思うくらい「伏線の回収が鮮やか」なんですけど、ここに関しては待てど暮らせど一向に言及されていません(されていないように思えます)。

果たして、もう1つの答えって何なんでしょうか?

 

個人的な見解

「なにもしない」

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コミックス 5巻

注目したのは上記画像の一文です。

2つしかないと信じていた方が 道はひらけるから 

花本先生の言葉にあった「努力する」も「諦める」も、言わば「前向きな考え」ですよね。一見「諦める」というのは、消極的というか前向きな感じがしませんけど「諦めて次の恋愛を探す」という言い方に変えれば、前向きな感じがしませんか?

ただし花本先生が言うには、ここにもう1つの答えがあって、そこに行き着いてしまうと「道はひらけない」ということになります。どんな行動をすれば道がひらけないのかを考えると、なんでもそうですけど「なにもしない」が1番しっくりくるかなぁって思いました。

個人的には『大学受験』になぞらえて考えてみまして、例えば意中の大学に落ちてしまったとき、「努力して来年合格できるように頑張る」のか「諦めて別の大学に進むのか」の2択があって、もう1つの選択肢っていうのが「特に何もしない(努力もしない)で、来年また受けよう」ってことなんじゃないかなぁと。

 

真相はどこに隠されているか

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コミックス 6巻

前項で書いた大学受験の話はさて置き、恋愛において「特に努力するわけでもなく、諦めるわけでもない」というと、少しわかりにくい答えになってしまうんですが、これについては次巻の6巻で「野宮があゆに言った言葉とリンクしているのでは?」と思ったんです。

山田さんはさぁ こうやってゴネたりスネたりしながら あっちがダメになるの待ってるの? 

真山の気を引くために野宮を利用したようなカタチになってしまったあゆに対し、野宮が投げかけた言葉です。かなり辛辣な言葉になっていますが、あゆにとっては図星のような描写になっていて、単なる『口撃』でもなさそうな感じでした。

そうやっていつまで真山を試すの? -まあわかんなくはないけどね  バレちゃってる片想いって不毛だけどラクだもんね 罪悪感で相手は優しいし もうこれ以上ヒドイ事はおきないし 新しくキズつくこともない

 色々考えた結果、ここじゃないかなぁと思ったんですよね。まさに「あゆが現在進行形で真山にしている行動」こそが3つめの答えじゃないかと。

特にわかりやすいようなカタチで努力するわけでもなく、そして諦めたわけでもない。酒のチカラを借りた場面以外では、真山に直接「好き」と言ったシーンもありませんし、あくまで真山があゆの気持ちに気付いて牽制してきただけに留まっていますし。

もしこれが「努力する」のであれば、よくある少女漫画の展開ですと「真山が別の人を見ていても、私は変わらないから」みたいな宣言があってもよさそうじゃないですか?「諦める」のであれば、真山の気を引くために野宮を利用するなんて選択肢はないはずなんです。

花本先生はそこまで折り込み済みで、あゆに「努力するか諦めるかの2つしかない」って言ったんじゃないですかね。言葉は悪いですけど「現状維持のまま、相手がダメになるのを待つ」っていうか、そんな感じ。

 

キャンセル待ち

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 コミックス6巻

 野宮に辛辣な言葉を浴びせられ、ひとまず落ち着いたあと、「真山のどんなところが好きか」を聞かれてたあゆが「わからない」としたうえで複雑な心境を語ります。

本当に好きなら幸せを祈れるはずなのに  私はさっき車の中で言われたとおり ほんとは…… こわれちゃえばいいって ずっと…

 以前にも森田だったかな?誰かに「真山のどこが好き?」みたいなことを聞かれて、その時も「わからない」と答えていたような気がします。結局、恋愛って理屈じゃないんだなーなんて思うわけですけど、今回のこれは『キャンセル待ち』みたいなことですよね多分。

例えば新幹線に乗りたいけど乗れないって状況で、「努力して何とか乗る方法を探す」わけでもなく「諦めて別の方法を探す」わけでもなく、ただ「何もしないでキャンセル待ちをする」的な。こう考えればどうでしょうか?なんとなく、しっくりきません?

 

あゆの答え

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コミックス 8巻

ちなみに、それを受けてあゆは・・・という話なんですけど、商店街のみなさんには自分の素直な気持ちを伝えていたようでした。一方で、あゆ自身の恋について「努力する」か「諦める」か、果たしてどちらを選んだんでしょうか。

まぁ吹っ切れたって言い方はアレですけど、大きく変わったのは上記画像のシーン以降だと思います。答えは出しかねてるけど、必死に前を向こうとしてる感が出ているような気がするんですよね。

一方で、あゆのことが好きだと言う野宮との関係も気になる部分です。少しずつ野宮に傾いてるのかなーと思わせる描写こそ出てきたものの、はっきりとしたカタチは描かれておらず、これもまた「行く末は読者の想像に委ねる」といったところでしょうか。

でも・・・かつては

10年でも20年でも ずっと好きでいつづけて どんなに好きか思い知らせたかった -そんなコトに何もイミがないのも解ってた でも とめられなかった

 という心境が明らかにされていて、確かに「努力する」わけでもなく「諦める」わけでもないような、一種の自己犠牲みたいな寂しい考え方をしていたあゆが、野宮に会えたときに

この人が帰ってきてくれて とても嬉しい  そして とても苦しい

という心境を抱いています。野宮の「どうしようもなくなったらオレを呼びな」という言葉がよぎっていたように、何度か呼ぼうとしたはずなんです。そこで野宮を頼らなかったのは『意地』でしかないでしょう。

この「嬉しい」と「苦しい」という相反する言葉に、私はかつて森田とはぐちゃんが出掛けた時のことを思い出しました。「トイレに行きたいとも言えず、うまくご飯も食べられなくて、つまらなかった」という心境に近いんじゃないかなぁと。

真山のことが好きだから「ずっと好きでいてやる!」と思ってたけど、「努力する」か「諦める」しかない、そこで真山との恋を諦めようとしたときに「恋がこんなにつらいなら2度としたくない」って思ったはずなのに、野宮に惹かれ始めた自分がいて、

ーなのに どうしたらいいの ぜんぜんもう わからないよ 

だと思うんですよね。だからあゆは「諦められるように努力する」という道を選んだのではないでしょうか。どうですか?結構しっくりきません?

 

みんなの意見

ググってみよう

ハチクロにはコミックスの他にアニメ版と実写版がありまして、コミックスで言えば『オフィシャルファンブック』みたいなのもあるんですけど、そこにも真相は描かれてないんですよね。

私のエゴなんですけど「実写版はなんとなく観たくない」というのがあって、もしそこで真相が語られているなら・・・と思わなくもありませんが、こんな便利な時代ですからググってみようと。すると・・・。

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「努力する」「諦める」と入れると、予測変換で『ハチクロ』って出てきました。これは同じようなことで疑問に思った人が結構いるって話ですよね。

私自身、10年以上前にリアルタイムでハチクロを楽しんでいた頃にも疑問に思っていましたが、友人同士で「アレって何だったんだろうねー」と語った程度でしたので、当時もネットで調べるということはしていません。なので、これは期待できそうですよ。

 

トップが知恵袋

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個人が立ち上げたファンサイトか何かで「ハチクロがメチャクチャ大好きな人間が熱く語っている個人サイト」が出てくるかと思いきや、トップに出てきたのは意外にも『Yahoo知恵袋』でした。

個人的にネットには嘘の情報が溢れているとは言え、調べ物をするときはネットで調べるんですけど、まさか知恵袋とはなぁ・・・。何度か覗いたことはあるんですけど、あまりいいイメージがないんですよね。

一応、答えを探すのではなく「他者の考えを知る」という意味で覗いてみましょう。

 

  • 冷却期間を置く

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http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1111970276

 

  • 現状維持

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http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q135566623

 

  • 何もしない

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http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1310350508

 

大体同じような意見

大体みんな似たような意見のようです。ちなみに色々探していたら、海羽野チカ先生曰く「何もしない」だったと書かれたページがありましたが、ソースについては不明とのことでした。

日付を見ると2007年であったり、2005年であったり。ずっと昔のページが上位表示されているということは、それに対して異議を唱えているという人も少ないということになるんでしょうか。

真相については不明ですけど、多くの人の考えは『何もしない』って部分に落ち着きそうですね。

 

最後に

今回はハチクロにおける「明らかに問題を投げかけられている場面」を取り上げましたが、よく国語の試験で解かされたような「このときの作者の気持ちを簡潔に述べなさい」みたいな問題が成立するくらい、ハチクロは文学作品としても読めるほど、心理描写が秀逸な漫画だと思います。

10年以上が経過した今もなお、相変わらずハチクロが大好きだという人間は、私の他にもたくさんいるでしょう。そんな多くの読者の中には「自分はこう思った」という別の意見もあって、その人にはまた違ったハチクロの世界が広がっているのではないでしょうか。

色々まとめると「ハチクロ、最高!」ってことで、よろしくどうぞ。