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カイジのようなマンガが好きなら『銀と金』が面白くてオススメ

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(2017/07/17内容追記しました)

言わずと知れたカイジシリーズを手掛けた福本伸行先生の作品である『銀と金』ですが「福本作品の中で、これが1番好きだ!」と言う人も少なくありません。それだけ多くの魅力に詰まっているマンガが『銀と金』です。

私はカイジシリーズで福本作品のファンになり、カイジを読んだ後で、この『銀と金』に出会いました。知名度こそカイジに及んではいませんが、カイジのルーツはこの『銀と金』にあると言っても過言ではないでしょう。

気が遠くなるような金額のやり取りをするギャンブルや、時にはギャンブルではなく本物の命のやり取りをする展開に夢中になり、一気に読破してしまったのを覚えています。

というわけで今回は、カイジのようなスリル溢れる漫画、ギャンブル漫画が好きな人には是非ともオススメしたい『銀と金(全11巻)』のご紹介です。

 

 

あらすじ

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コミックス 第1巻

競馬場で散財した森田の前に現れた1人の謎の男。その男は森田に「3時間で10万円出す」と言い、十個のみかん箱をボロアパートに運ぶのを手伝わせる。密輸を疑っていた森田は、男がシャワーを浴びている隙に中身を確認したが、箱には10億もの札束が入っていた。

その後、謎の男は「銀さん」と呼ばれ、ボロアパートに訪れた24名の男たちに対し、次々と金を融資し始めた。皆が頭を下げ、金を借りていく姿を見た森田は、徐々に銀さんこと平井銀二に興味を持ち始める。

そして、平井は「森田を相棒にすることも考えなくはない」というようなニュアンスを匂わせたうえで、森田の目の前に5000万円を積み、1つの依頼を持ち掛けた。

「人をひとり、殺してもらいたい」

 

内容紹介

殺人鬼監禁

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コミックス 第2巻

概要

とある組の助っ人として、部屋に監禁されている『ある男』を3日間監禁するという内容。しかし、その男は『連続七件もの殺人を犯した殺人鬼』だった。

「いざとなったら撃っていい」を言われ、拳銃を渡された森田はそれを心の拠り所にするが、残念ながら弾は入っていない。

「弾が入っていないということを悟られてはいけない」という森田の思惑とは裏腹に、殺人鬼は言葉巧みに状況を引き出していき、脱走することを試み始める。

小さな綻びから突破口を見つけ、組員全員を殺して逃げだすことを考えた殺人鬼と森田の戦いが始まった。

 

感想

俗に言う『ギャンブル』以外の話になりますが、警察よりも先に殺人鬼を確保したのはまずいいとして、縛りもせずに部屋に入れているだけという状況はいかがなものでしょうか。

殺人鬼とは言え、カタギを縛ったりなどをしてしまうと組のメンツが潰れると思ったんですかね。とりあえず初期設定の時点で殺人鬼が逃げ出そうとするフラグは立ってますよね。

殺人鬼とのやり取りは別として、追い詰められた者の心理状況などの描写は、非常に面白かったと思います。凶器を持った殺し合いの中にも、隠れる場所や動く方向など、細かな心理戦において息を飲む展開が次々と続くので、ギャンブルとはまた違った緊迫感があると言えるでしょう。

殺人鬼が言っていた「逃げ道を与えること」の理屈については「なるほどなぁ」と素直に感心させられてしまったので、ちょっとした勉強にもなるかもしれませんよ。

 

セザンヌまでの距離

概要

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コミックス 第3巻

とある傲慢な画商は「セザンヌの絵なら絶対の自信がある」と言い放つ。その画商に対し、森田は「偽物を掴ませること」を思いついた。

セザンヌの絵は時価6億とも言われており、その価値の高さはピカイチだが、とある伝手でセザンヌの絵を一時的に拝借した森田は、この絵をエサに画商にとある勝負を持ち掛ける。

「絵を3枚並べ、1枚は本物のセザンヌ、もう1枚はニセのセザンヌ、そしてもう1枚は見習いの画家が書いたセザンヌであり、これを暗い部屋に3つ並べて本物を当てられるかどうか」という勝負である。

本来であれば「画商が当てて当然」というような勝負に、森田はある条件を加えて、その勝負を行方がわからないようなものに仕立てあげたのであった。

 

ルール
  1. 部屋自体を暗くする。
  2. 3枚のうち、1枚は見せない。
  3. セザンヌまでの距離は5メートルだが、その距離は1センチ当たり100万(1メートル1億)で買うことが可能。

 

感想

この「距離を売る」という発想は非常に面白いと思いました。そして距離を買えば買うだけ近付き見やすくはなっても、同時に外せないプレッシャーが重くのしかかるというのは、読んでいて痛いくらい伝わってきます。

それから「1個は隠す」という仕組みですね。仕組み自体は単純ですが、3つ見えている状態よりも深い猜疑心のようなものが生まれ、難易度は非常に高くなっているのではないでしょうか。

この戦いは森田のデビュー戦のようなものでもあるのですが、じっくり獲物を探すところや絵を用意するための準備など抜け目ない行動が多く、カイジとは少し違って、最初から勝負の才能みたいなものを発揮していると思いました。

いわゆるPK合戦のような「決めて当たり前と言われることの難しさ」みたいなものが巧みに描かれていると言っていいでしょう。

 

青天井ポーカー

概要

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コミックス 第4巻

森田は、とあるボンボン3人組がポーカーで連戦連勝しているという噂を聞いた。内容はわからないが、その3人組はどうやらイカサマをしているらしい。

特に特別な感情は抱いていなかった森田であったが、実際にその3人組を目の当たりにすると黙ってはいられず、その場は相手が退散することで一旦落ち着いたものの、時を改めてポーカーで戦うことになった。

向こうは一流企業の御曹司。親に泣きついてどれだけの金を用意してくるかわからない。森田は森田で知り合いを頼り、出来る限りの金を用意した。果たしてこの『青天井ポーカー』の結果やいかに。

 

ルール
  1. 借用書は認めない。
  2. 決断は30分以内とする。
  3. 30分を超えた場合は降りたとみなす。

 

感想

この戦い方に『カイジのルーツ』のようなものを感じました。金額のスケールが大きすぎて、感情移入とかはできないですが「勝つべくして勝ったようで、実のところは紙一重」というヒリつく展開と言うんでしょうか、非常に面白かったです。

「相手は何かしらのイカサマをしている」というだけの材料から勝負が始まったかと思えば、身銭を切りながらその正体を探り、最終的にはそれを利用して相手を陥れるという展開はまさに秀逸と言えるでしょう。

不利な状況だったにも関わらず、身内との連携プレイやポーカーフェイスで乗り切る姿も、ワクワクする展開に拍車をかけていると思います。余裕シャキシャキだった相手が徐々に追い詰められていく展開も、非常に上手く描かれていますよ。

 

神威家の家長争い

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コミックス 第7巻

概要

「監禁状態にある老人を救出する」という依頼を受けた森田は、神威家という非常に大きな家柄の『家長争い』に巻き込まれる。

実質、家長になり得る権利を持っている3人の血の繋がった兄弟は、父親であるこの老人によって、幼少の頃から度々争わされていたこともあり、そういった家長の権利をチラつかされることに嫌気が差していた。

そんな時、父親が体調不良で検査しに行ったのをいいことに、それに乗じて病院に幽閉したものの、森田によって脱出させられてしまったのである。幽閉しておくことに失敗した3兄弟は、自分たちの父親を自殺に見せかけて殺すことに。

森田は老人を守らなければならないが、守りながらも自分がやっていることに疑問を感じていたのだった。

 

感想

簡単に言うと莫大な財産争いに巻き込まれたわけですが、通常の財産争いと違う点は、兄弟が3等分したがっているのに対し、父親が「誰か1人にすべてを引き継がせようとしている」という点です。ハッキリ言って非常に後味が悪く、多くの血が流れます。

なんとなくですが、読んだ後にはスッキリしないというか、嫌な気持ちになってしまうでしょう。今回はギャンブルではなく「老人の救出」が目的なので、武器を持って襲ってくる3兄弟から老人を守るために、ありとあらゆる手段を用いています。

そこには、追い詰められた人間の心理状況を逆手に取ったりなどの『駆け引き』があり、命が賭かっているというスリリングな展開が見所なわけですが、これまでの『銀と金』とは全く違う一面を見せてくれると言っても過言ではありません。

刺激は強すぎますが、一種のスパイスとして色々と考えさせられる場面もありつつ、物語のフィナーレに大きな影響を与えたシーンと言えるのではないでしょうか。

 

競馬勝負

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コミックス 第10巻

概要

銀王こと平井銀二と民政党総裁である河野洋一のギャンブル対決。ギャンブル内容は「12頭が出走するレースに、それぞれの陣営が6頭ずつを出馬させ、1位になった馬を出した方の勝ち」という競馬対決であり、通常の競馬と違って「レースを作っての戦い」となる。

勝った方が300億円という大金を手にできるこの戦いは、平井銀二に不利になるように進められていた。有能な馬や騎手は、すべて河野側に押さえられてしまっており、その様子はまるで「プロ野球のオールスター軍団vsBクラスの球団の2軍」と言ってもいいほど。

果たして、この負けて当然とも思えるような戦いに、勝機を見出すことはできるのだろうか。

 

感想

競馬好きなら楽しめますし、競馬を知らずしても最後の切り札については、完全にやられたと思うはずです。少なくとも私は、完全に意識の外からやられました。

予想だにしていなかった展開に、めちゃくちゃ興奮したのを覚えています。いやー、本当に面白いです。

切り札を出すための条件みたいなものが、いくつも伏線となって張り巡らされている点についても、まさに圧巻の一言としか言いようがありません。間違いなく、もっと続きが欲しくなりますよ。

 

最後に

『銀と金』は、カイジの雰囲気とはまた大きく異なる作品です。非常に似ているのですが、どこか大きな違いがある作品だと思います。

私はこの『銀と金』がとても大好きです。ギャンブル漫画といえば「カイジ」の名前が大きすぎて、知らない人も多いというのが勿体なく思えて仕方がありません。

絵は少し古い感が出ていますが、内容は非常に面白く、心理戦や頭脳戦を駆使した戦い、やり取りを堪能したい方は、ぜひ手に取ってみてください。カイジ好きなら絶対に満足できると思いますよ。