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「賭博堕天録カイジ 和也編」をネタバレ無しで紹介する

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「賭博堕天録カイジ 和也編」を一気読みしてみました。ちょこちょこ読んだことはあったんですけど、物語が完璧に繋がったのはつい最近のことです。本作は、帝愛グループ会長の息子でもある和也とカイジが対決(正確には本番前の余興みたいなもの)する様子を描いたものですが、カイジらしい「人の裏切り」みたいなものに焦点が当てられていて、楽しめる人には楽しめるのかなぁと思いました。

ただ、個人的には正直言って今ひとつでしたね。前作に当たる賭博堕天録が麻雀の話だったので、今回はカイジらしいギャンブルを期待していたのですが、期待が大きすぎたせいもあるのか少し残念でしたね。というわけで今回は、その辺の感想を含めて「賭博堕天録カイジ 和也編(全10巻)」をネタバレ無しで語っていきたいと思います。

 

 

話の流れ

  1. 賭博黙示録カイジ
  2. 賭博破戒録カイジ
  3. 賭博堕天録カイジ
  4. 賭博堕天録カイジ 和也編
  5. 賭博堕天録カイジ ワン・ポーカー編

「カイジ」って言われると、映画化もされましたし非常に有名な作品だと思うんですけど、これまで出てきたシリーズが1から順番にシリーズ化されているわけではないので、途中から興味を持った人にとっては「どれから読めばいいかわからない」という悩みが出てきてしまうのではないでしょうか?

本作は一応カイジシリーズでは4作目に当たります。それぞれが独立したギャンブルになっているので、心理戦・頭脳戦に関しては順番を守らなくても楽しめますが、カイジの世界観を楽しむためにも賭博黙示録から読んでいくとより楽しめるでしょう。

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どんな話?

前作に当たる「賭博堕天録カイジ」での戦い「十七歩」において莫大な大金を得たカイジが、「波に乗っているうちに更に勝っておきたい」という思いから、帝愛グループ会長の息子・和也とギャンブルで勝負するという話です。正確に言うと実際に戦うのは、この後の「賭博堕天録 ワン・ポーカー編」なので、それに続くまでの序章みたいな意味合いを持っている作品だと言っていいのではないかと思います。

というのも、カイジと和也が傍観している傍らで負債者らがゲームをするという内容になっていて、実際にカイジが命を賭けて戦うという展開はありません。あくまで命を賭けているのは今作で初めて登場する債務者ら3人の男達で、この3人の絆を壊そうと和也が色々仕向けるのをカイジがわーわー言いながら解説しているというような作品です。

 

面白いポイント

ゲームのルールがわかりやすい

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コミックス2巻

本当にシンプルな内容で、これまでのカイジシリーズのような心理戦・頭脳戦といえるような駆け引きはないんですけど、完全に「このゲームをクリアするうえで何が難しいのか」がわかりやすいです。

ゲーム内容を簡単に説明すると「階段に並んだ3人がそれぞれランプの付いたヘルメットを被っていて、そのうちの誰か1人が点灯するので、それが点灯している人間が1分以内に人質解放ボタンを押せればクリア」というものになります。

例えば階段の1番上にいる人間は、前2人のどちらも点灯していなければ自分だということがすぐわかりますし、1番下の人間は何もわかりません。ただし1分という制限時間が設けられているので、限界まで誰も動かなければ1番下の人間だと考えるのが妥当でしょう。

真ん中の人間が点灯しているというケースが唯一難しいような気もしますけど、3人はあの手この手で工夫したりもするので、その一連の流れなんかは見ていて面白いです。

 

本当の難しさ

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コミックス5巻

最初は「1分という時間を体内時計で計ることの難しさ」や「1分のどこで動き出すべきか」などが大きなポイントだと考えますが、本当の難しさは別に用意されています。

このゲームではクリアする毎に手持ちのお金が倍々に増えていきます。しかしミスしてしまった場合は、ヘルメットが圧縮していって頭が潰されてしまう(=死)という報いを受けなければなりません。全員が同一条件であれば、全員が一丸となって成功を目指すことになりますが、実際はわざと失敗する可能性というものが出てきます。というのも、救出者が救出しなかった場合は人質だけが死ぬというルールがあるんです。

例えば1億円を3人で割れば1人頭3333万円ですけど、5000万円の時点で救出者があえて人質救出ボタンを押さなければ、他の2人が死ぬので5000万円総取りになります。そこでも欲を殺して団結していられるかという面白さに注目です。

 

イマイチだったポイント

上の方でも書きましたが、今回のギャンブルは第三者によるものなので、正直「カイジが登場する必要性」みたいなものがどこにもありません。和也編なんて言わずに「賭博堕天録 和也」でいいと思うくらいですね。

私たち読者はカイジに感情移入することで、カイジが実際に背負うリスクなんかを自分のもののように感じてスリルを楽しむというのが醍醐味だと思うんですけど、本作はカイジにも一切の危険が及んでいないので、正直冷めた感じで読み進めてしまう感があります。

ゲームの内容自体は面白いので、例えばこの同じゲームを「これまでのカイジシリーズに登場してきた人物とカイジがやる」とかだったら面白かったのかもしれません。

 

最後に

スリルという面に関して言えば、他の作品と比較するとどうしても落ちてしまうと思いますが、ゲーム自体は非常に上手くできていておもしろいです。和也が仕掛けてくる駆け引きに対しての賛否両論はありつつも、物語はしっかりまとまっているので、あれこれ考えながら読むと楽しめるんじゃないかと思います。

「これ面白いから読んでみて!」というほどオススメするわけではありませんが、ちょっとした心理戦とか理詰めで物事を考えるのが好きな人にはハマるんじゃないかと。全10巻、完結済みです。興味のある人は読んでみてください。