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家庭用ボイラーの寿命がどれくらいか知ってますか?

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(2017/04/11内容追記しました)

オール電化のお家が増えるに伴い、家庭用電気温水器なんかも徐々に増えてきましたが、まだまだ家庭用ボイラー・家庭用給湯器の類が、ほとんどのシェアを占めています。「そこにあって当たり前」と思えるくらい身近な存在であるボイラーですが、機械ですから使っているうちにどんどん劣化してしまいますし、故障の度合いや使用年数によっては買い替えることも必要です。

しかし、ボイラーはそんなに頻繁に買い替えるような物でもないため、どのくらいの寿命なのかを知らない人は意外と多いと思います。もちろん機械ですし、使用頻度によっても耐用年数は変わってくるため、一概に「〇〇年」とは言えませんが、今回は私が『家庭用ボイラーの寿命』について知っていることを書こうと思います。

私は「とあるメーカーの修理業務」に携わっていますが、そこで知り得たことを書いていくつもりです。メーカー間で差はあれど、それは微小なものだと思われますので、よろしければ参考にしていただけると幸いです。

 

 

給湯器の寿命

昔と比べて短くなった

一昔前は10年というのが1つの目安でしたが、現在は『10年使えて然るべき物』という位置付けではありません。それこそ、浴室に設置されているバランス釜と呼ばれる類の物は「15年以上使用した」という人も結構いるんじゃないかと思います。昔のバランス釜って、シンプルな作りで耐用年数は非常に長かったんですよね。そして、バランス釜ほどじゃなくても、ボイラーだって長持ちする機器がたくさんありました。

単機能のガス給湯器(追い炊きができず、お湯を出すだけのシンプルなタイプ)であれば、今でも10年以上のモノを見見ることはありますが、それでも年々減少傾向にありますし、そのほとんどがアパートなどの集合住宅に設置されている機器です。一軒家で複数の家族が使用しているボイラーで、無故障のまま10年以上使用できるというケースは、だいぶ減ってきました。

修理に行った際に「機器寿命を迎えてますね」とお話しすると、中には20年以上使えて当然と考えている人もいらっしゃって、ときに「新しいものを売りたいからって、嘘をついてるんでしょ!?」と言われてしまったことも何回かあります。実は、機器寿命が短くなったことには様々なちゃんとした理由があるんです。

 

耐用年数が短くなった理由

安全装置の充実

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ボイラーには大きく分けて2種類、ガスで動くものと灯油で動くものがあります。当たり前の話ですが、どちらも燃えます。簡単に言うと『バーナー』と呼ばれる部分で火を付けてお湯を作るのですが、火を使うわけですから『安全さ』が求められますよね。ボイラーの不具合が原因で事故が起きるということは、お客さんの財産(家など)はもちろん、更には命に関わる問題になってしまうわけです。

各メーカーが安全さを追求し続けた結果、今では過剰なくらいの安全装置が搭載されるようになりました。そのため危険度は遥かに下がったのですが、危険な状態の2~3歩手前で安全装置が作動するような作りになっています。我々のような修理のプロからすると、ハッキリいって「石橋を叩いて渡り過ぎている」と思うくらいの安全装置です。それでも「万が一のこと」を考えたら、仕方ないんでしょうね。

 

壊れる箇所が増えた

一昔前の機械と比べて安全装置自体の精度も上がっていますが、単純に搭載されている個数も増えていますので、言い方を変えると「壊れる部品の数が増えた」ということになってしまうのが、ボイラーの寿命が短くなったと言える1つの理由です。

同じボイラーでも「10個の部品から構成されている機器」と「15個の部品から構成されている機器」を比べたら、後者の方が複雑な作りになっていて、壊れてしまう対象の部品数も多いということになりますから、ここに関しても仕方ない部分と言えるでしょう。

 

機能の充実

もう1つの大きな理由として機能の充実が挙げられます。わかりやすい部分で言ったら『リモコン』でしょうか。今はほとんどがデジタル表示ですし、タイマー機能や時計機能も付いています。挙句の果てに、お風呂が沸いたら「お風呂が沸きました」と喋ったりもするわけです。一昔前は、鳴ってもブザーくらいのものだったんですけどね。

他にも本体そのものがコンパクトになっていたり、燃焼能力そのものも向上していますし、一昔前と比べて「便利になった」「性能がアップした」と感じる人がほとんどではないでしょうか。追いだき機能が付いていたり、お湯張り機能が付いていたり・・・。ボタン1つでお風呂を沸かしてくれるんですから、非常に便利になりました。

 

機器の複雑化

ボイラーに限らずどんな機械にも同様のことが言えますが、シンプルな方が物持ちはいいです。複雑化、精密化することで『耐用年数』が代償になってしまったという事実は否定できません。まして今では「給湯機能+追い炊き機能」の他に「暖房機能」まで有する機器も多く使われるようになってきました。

そのような機器に関しては、本当に多くの複雑な部品が使用されていますし、機器に掛かる負担も通常の機器と比べると大きいことが予想されます。つまり「機能の充実」と機器寿命を対比すると、どうしても反比例の関係に近くなってしまう部分があるのです。

 

使用時間が増えた

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あとは単純に「使用する時間が増えた世帯が多い」というのもあるような気がします。例えば4人家族だとしましょう。「全員が足並みを揃えてお風呂に入る」なんてことは難しいというご家庭がほとんどだと思います。帰りも遅い人がいたりして、その都度お風呂を沸かし直したりしているのであれば、当然動作する時間も増えるので耐用年数は短くなってしまいます。

今や浴室にテレビが付いているお家も珍しくありませんし、スマホや本を持ち込んで入浴しながら楽しむという人も、意外と多いのではないでしょうか。昔と比べて、色んな部分が便利になって豊かになったのか、あるいは時間に追われるライフスタイルになったのか。いずれにしても、家庭用ボイラーが動いている時間は、昔に比べて長くなったというご家庭がほとんどだと思います。

修理で各家庭を回っていると「ウチはそんなに使っていない」と言うお客さんも多く、その大半が「実際の使用時間を低く見積もっている」という傾向にあるんですよね。なにと比較して少ないとおっしゃっているかはわかりませんが、一人暮らしとか「お風呂に毎日入らない」というケースでもない限りは、案外使用しているものですよ。

 

大まかな耐用年数を知る

1つの目安

使用環境などにも大きく左右されるので一概には言えませんが、1つの指標として『1日1時間の使用で10年』という計算方法があります。200リットル程度の浴槽にお湯を張るには、一般的なご家庭で30分弱くらいですかね。そこから1度追い炊きをして、4人前後がシャワーで髪や体を洗う時間を足したら、ちょうど1時間くらいです。

食器を洗うときや洗濯にもお湯を使っている場合、使用時間はもっと増えていってしまいます。年頃のお子さんがいるようなご家庭で、1日の使用時間が1時間に満たないというご家庭は、かなり少ないと思いますよ。

また、これはあくまで1つの目安にしかすぎません。例えば車なんかでも「エンジンがかかる瞬間」に負担があるように、ボイラーも「着火する瞬間」に大きな負担がかかってしまいます。「10分間使いっぱなし」という状況と「実際燃えていたのは5分だけど、その間に着いたり消えたりを数十回も繰り返した」なんて場合は、後者の方が負担が大きかったりもするので、そのへんの注意も必要です。

 

7年~10年くらいが妥当

例えば『1日1.5時間の使用』だとすると、単純計算して7年半です。大体このあたりで故障してしまうというご家庭が多いのではないでしょうか。もちろん使用している水道水の水質や、使い方などの様々な要素が絡んできますが、大雑把に言うと家庭用給湯器の寿命は「7年~10年くらい」と思っていればいいと思います。

私たち修理する側の人間は、このようにお客さんに対して説明するように言われていますし、コンタクトセンター(修理を受け付ける電話)でもこのように説明するように上から指示されているとのことでした。なので、機器寿命に関しては色々な要素が絡んでくるので一概には言えないのですが、無理やり定義付けるとなると「7年~10年くらい」という言い方に落ち着くでしょう。

何度も言うようですが「ウチはそんなに使っていない!」という人は多いんですけど、案外使っているものです。ボイラーを使用してどれくらい経過したかも把握していない人が多いくらいですから。

 

本当に使用していないのに壊れる

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「出張などで家を空けることも多い」という方の場合に多いのですが、1日1時間の使用に遥かに満たないのにも関わらず、機器が故障してしまうというケースも少なくありません。先ほどから例として挙げている「ウチはそんなに使っていない」というお客さんで、本当に使用時間が少ない場合も当然ながらあります。

そういう場合は「使わなすぎて、逆にダメ」という可能性も否定できません。車なんかもそうですが、長いこと動かさないことが不具合に繋がってしまう可能性があるんですよね。人間の身体と一緒で、適度に動かしてあげないとボイラーも鈍ってしまいます。ましてボイラーは、使わない間も一定の水圧がかかっていたり、中に水が残されている場合が多いので、時間の経過と共に劣化してしまう部分がどうしてもありますから、極端に使用時間が少ないというのも考えものです。

新築時にボイラーを取り付けて、1年ほど使用した後で空き家になり、5年後に入居した人が1年も使用しないうちにボイラーが壊れたというケースもあるくらいなので、単純に「使用時間が少なければいい」というものでもないでしょう。

 

買い替えのタイミング

ケースバイケースであることは間違いないのですが、私自身の見解としては7年以上使用してきた機器に修理費用が10万円を超えてしまうような場合は、素直に買い替えた方がいいと思います。理由としては「部品はいずれ取れなくなる」というのと「修理はあくまで修理」という考えからです。

よく「部品交換すればここは新品だから、ここはまた7年以上使えるでしょ?」と言われるんですが、どうしても部品ごとに劣化してしまうので、そういう単純な問題でもないんですよね。例えば、バーナーだけが新品になっても、他の部品にちょっとした不具合が生じたせいでバーナーに負担が掛かってしまうというケースもあるんです。そうなると本来の寿命よりもだいぶ短くなってしまうことも無いとは言い切れません。

ボイラーって定価は意外と高いんですけど、頼む場所や選ぶ製品によっては相当安くなるので、修理に10万円をかけるくらいなら思い切って買い替えた方がいいケースが多いことも事実ですので、覚えておきましょう。

 

最後に

『機器寿命』については、どの電化製品も大体10年くらいが1つの目安だと思います。エアコンもストーブもそのくらいなのではないでしょうか。しかし、エアコンやストーブは季節ものであるのに対し、ボイラーを使わない日ってないと思うんです。毎日稼働しているわけですし、これまでご説明してきた事項を踏まえると「10年以上は使えて当然!」という認識は間違いになりつつあると言えるでしょう。もし7年以上使用してきた給湯器が壊れてしまった場合、買い替えるための費用を考えると『修理』に心が傾いてしまうこともあると思います。

しかし、せっかく修理しても「次はこっち。今度はそっち・・・」という風に次々と別の部分が故障してしまうことも考えられるので、機器寿命を迎えてそうな給湯器に関しては、思い切って交換した方が安上がりになるという場合も少なくありません。修理する側は「今回修理すれば大丈夫」とは言わないはずです。後々クレームに発展しないように、必ず「今回修理したとしても次は・・・」というような言い方をすると思います。嘘は言っていませんが、全部鵜呑みにしてしまうと損をしてしまう場合もあるため、少ない材料を駆使して自分で判断できることが理想ではないでしょうか。

7年目以降に10万円を超える修理をしたとしても、またそこから確実に安心して数年使えるというものでもないので、色んな要素を考慮して判断してみてください。