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『僕たちがやりました』という漫画の登場人物がクズすぎて面白い

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(2017/04/10内容追記しました)

最近読んで「面白いなぁ」と思ったマンガの中に、大きく趣向が異なる作品がありまして、それこそがタイトルにもある『僕たちがやりました』というマンガなんですけど、何が面白いかって聞かれても上手く答えられないんです。主な登場人物が典型的な『クズ人間』でして、その中でも主人公の心理描写が巧みというか、これまでの人生において、よほど明確な意志を持って生きてきたという人以外は「なんとなく共感できる」という部分が多いんじゃないかと思うんですよね。

決して褒められた内容ではありませんし、むしろ健全な少年からは遠ざけられてしまうような内容なんですが、ハッキリ言ってメチャクチャ夢中になってしまいました。今回は【僕たちがやりました】というマンガについて、軽いネタバレを含みつつ、その魅力について書いていきたいと思います。

 

 

簡単なストーリー

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コミックス 第1巻

仲良し3人組とニートの先輩が繰り広げる「非日常的な日常」を描いたマンガです。「自分には夢はないけど、将来を捨てて生きるほどバカにはなれない」と言い放ち、ソコソコの幸せがあればいいという主人公をはじめとした4人組が、とんでもないことをしでかします。

隣りのヤンキー高校の生徒に、ふとしたことがキッカケで絡まれ、復讐を企てた4人。手作りのプラスチック爆弾を仕掛けて、軽くビビらせるだけのつもりでしたが、それがプロパンガスに引火し、死者を出してしまうほどの大事故へと発展してしまいました。

主人公は「自首するべきか否か」で悩みながらも、先輩から口止め料(現金300万)を貰い、共犯者として生きていくことを決意。その後、海外へ高飛びすることにしましたが、空港で先輩が警察に逮捕されてしまいます。その後、色んな出来事がありながらも先輩は『誤認逮捕』として釈放され「何もなかったことにしよう」という空気が流れますが、実際にはやはり自分たちが犯人のようで、主人公には良心の呵責があったり、様々な葛藤をすることになるのでした。

 

基本『アホ』のスタンス

イジメ等には関わらない

このあたりは時代の流れなのかなーなんて思ったりもするんですけど、一昔前のマンガって「悪いことは見過ごせない」という種類のマンガばかりだったと思うんですよ。ただし、本作を始めとした最近のマンガでは「触らぬ神に祟りなし」というような描写のマンガも多く見られるようになりました。

本作においては「ヤンキー=肉食動物、自分たち=草食動物」という思考を持っていながらも、ヤンキーたちのことを影で「バカ共様」と呼んでいたりします。『底辺』というワードも出てきたりしていて、「自分は優れた人間ではないけど、本当のクズではない」という思考が垣間見えるのですが、なにやら明るい雰囲気のマンガではないのがわかりますよね。

 

男子特有のゆる~いノリ

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コミックス 第1巻

中学~高校あたりで、よほど「真面目に勉強しかしてこなかった」という優等生以外はわかると思うんですけど、男子特有のふざけたノリに溢れています。ハッキリいって『くだらない』です。

カラオケで定番の合いの手を入れてみたり、罰ゲームで男子学生に告ってみたり・・・なんかあればすぐエロい方向に話がいったりなど、とにかく「うわー、なんかわかるわぁ」という感じで読み進められると思います。

 

爆弾がプロパンガスに引火

私だけでしょうか、結構こういう類の夢をみるんです。「そこまでするつもりじゃなかったんです」という夢。ちょっと友人を驚かせるつもりで、ゴ〇ブリの作り物を投げたら、それに驚いた友人が机の角に頭をぶつけて死んでしまうとか。

本作でも、自分たちで作ったプラスチック爆弾を数か所に仕掛け、窓ガラスを割ったりすることで、ヤンキーたちがビビってるのを見て楽しもうというのが当初の計画でした。それがプロパンガスに引火して大爆発。結果的に死亡者が出てしまったり、絡んできたヤンキー自身も車椅子生活を余儀なくされるという展開です。

正直、結構笑えない話なんですよね。基本『アホ』のスタンスなんですけど、どこかぶっ飛んでるというか。ただ、それが本作における最大の魅力なのは、言うまでもありません。

 

重いテーマ

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コミックス 第5巻

『緊張と緩和』の落差がすごいです。紆余曲折あった末に、誤認逮捕というカタチで捜査は打ち切られるのですが、真実は別にあると睨んだ警部補より言われたのが上記画像の言葉です。人を殺めたことはありませんが、普通の人間であれば逃れられない呪縛みたいなものを、一生背負っていくことでしょう。4人組にも「忘れられる人種」と「忘れられない人種」がいました。

もちろん主人公は「忘れられない人種」のように描かれています。「これでいいんだ」と言い聞かせている悪魔と、「これでいいのか?」と問いかける天使が同居しているというか、至極まっとうな人間の心理のように感じましたね。「自分だったらどうするだろうか」という部分を踏まえて読み進めると、結構面白かったりしますよ。もちろん、当事者になるのだけは遠慮願いたいですが。

 

まさかのフィナーレ!? 

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コミックス 第5巻

私が本作と出会った時、コミックスはちょうど5巻までだったのですが、一気買いして読みました。なぜか勝手に「全5巻」だと思い込んでいたんです。(おそらく5巻以内に完結するマンガの特集を同時に組んでいたせいで、ごちゃごちゃになってしまっていたんだと思います)

正直、5巻で完結していたら「完全無欠の作品」になり得たんじゃないかと。「え!?こんな終わり方!?」と衝撃を受けて、『もっと読みたかった感』が凄まじかったです。結果的にはすぐ6巻が発行されて、物語はまだまだ続くみたいですけどね。もっと読めるので嬉しいような気もするんですけど、5巻でおわってたらすごかっただろうなぁという気持ちもありつつ、この先の展開が更に面白くなってくれることを期待しています。

 

全9巻にて完結(2017/04/10追記)

話のテーマがテーマなだけに終わらせ方も非常に難しい類のマンガだと思うのですが、先日遂に完結しました。正直「同じことの繰り返しじゃね!?」と思い始めた矢先に急展開を迎えて終わってしまったので、ちょうどいいタイミングで終わったと思う反面、もう少し読んでいたかったという気持ちもありますね。

個人的にはフィナーレも良かったと思います。10人が読んだら10人が別々の感想を持ちそうなマンガという意味では、着眼点も斬新で、非常に大きな魅力に溢れているマンガだという当初の意見と変わりなく完結したと言っていいでしょう。

また、現時点ではキャスト等は不明ですが、2017年夏にドラマ化も決定したとのことです。ドラマでは本作における惨劇をマイルドに表現することになると思うのですが、それが良い方向に動くかどうか、イチ視聴者として楽しみにしていたいと思います。

 

最後に

世界観は決して明るくなく、むしろダークな感じすら漂わせている【僕らがやりました】は、着眼点が非常に面白い作品ではないかと思います。

扱っている題材が題材なだけに、表立って「面白い」とは言い難いような作風ですが、かなり大きな魅力を感じました。お世辞にも絵が上手とは言えない感じも、むしろプラスに作用していると思わせてくれるような作品です。興味がある方は、ぜひ読んでみてください。

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