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『ヒロイン失格』は恋愛漫画としてではなく、ラブコメとしてオススメしたい

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2010年から2013年にかけて別冊マーガレットにて連載されていた『ヒロイン失格(全10巻)』ですが、タイトルのインパクト的にも普通の少女漫画ではないことが伺えると言ってもいいでしょう。

2015年には桐谷美玲さんが主演で映画化もされているので、多くの人が知っている少女漫画の1つだとは思いますが、まだ読んだことがないという人のために、過度にネタバレしない程度の感想を踏まえながら紹介していきたいと思います。

 

 

どんな物語?

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コミックス1巻

主人公の松崎はとりが、幼馴染で同じ高校に通う寺坂利太に恋心を寄せている様子を描いたラブコメディーです。はとりの変顔がフューチャーされている場面が多く、笑えるシーンがテンコ盛りの恋愛漫画ですが、全体的に見ると意外と切ない場面やシリアスなシーンも少なくありません。

物語序盤は、はとりが「利太のヒロインは自分しかいない!」という軽い自意識過剰に始まり、色んな女子を見下したり、利太に対して牽制しているシーンが多く、今までに無かったようなスタイルの少女漫画です。

それが途中からは、よく見る感じの「別のオンナ(オトコ)と会っているところを目撃し、不安になって距離がひらいていく」という展開になり、物語後半の展開や結末については非常に多くの賛否両論が寄せられているという印象を受けました。

コテコテの少女漫画ではなく「一風変わった少女漫画が読みたい」という人にオススメしたい作品ですね。なお、序盤・中盤・終盤で作風がかなり変わっていく点に関しても、良いか悪いかは別にして大きなクセを感じるので、読んだ人の数だけ感想が生まれる作品だと思います。

 

見所

笑いのエッセンス

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コミックス4巻

本作ではことあるごとに「はとりの顔芸」が挿入されていて、ラブコメらしく笑えるポイントが多数用意されています。そのクオリティと言ったら、もはやヒロインどういうのレベルではなく、かなり女を捨ててるレベルで完成されているので、読んでいて非常に面白いですよ。

ヒロイン失格というタイトルにもあるように、主人公のはとりは本来の少女漫画におけるヒロインとは思えないくらいの勘違いをしたりしているので、そういう意味でも多くの笑いのエッセンスが凝縮されているように思います。

 

恋のライバルの「それ、違くね?」感①

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コミックス1巻

少女漫画には「恋のライバル」が付き物ですが、こういうパターンってのもあまり見ない部類だと思います。というのも、ビジュアル的には明らかに主人公の方が可愛いんですよ。

通常の少女漫画であれば主人公がメチャクチャ可愛いのにも関わらず、なぜかあまり可愛い扱いをされていなくて「〇〇は可愛いからなぁ・・・」とか言っちゃっている感じがするんですけど、本作なんか恋敵を大木凡人呼ばわりですからね。

ここに関しても賛否両論あるようで、確かに感情移入しにくいという大きなデメリットはありますが、私としては「新鮮で今までに見ない感じ」が非常に良かったと思います。メガネを外したらメチャクチャ美人なんていう手あかのついた展開が無かったのも高評価です。

 

恋のライバルの「それ、違くね?」感②

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「はとりになぜこんなイケメンが!?」という相手が用意されているのも大きな見所の1つです。この彼が、利太に対して壮大な煽りをもたらしてくれるわけですけど、かなりのプレイボーイでとっかえひっかえ系のモテ男なので、二言目には「なんで、はとり!?」というのがよぎって仕方ありません。

従来の少女漫画の流れを汲んでいるのであれば「今まで遊んでばっかだったけど、はとりにあって人を好きになることの意味を知った」的な感じになるんでしょうけど、イレギュラーだらけの本作においては、果たしてどのような軌跡を辿るんでしょうか。

 

結末に対しての個人的な考え

Amazonでは購入した作品にレビューを付けることができて、それぞれ本作を読んだ人が感想を綴っているのですが、本作では第1巻の星数に比べて最終巻の評価の低さが非常に目立ちます。というのも、結末が多くの人に受け入れられていないという側面が非常に大きいです。

個人的にも「あー、そうなっちゃうかぁ」という残念さはありましたけど、多くの少女漫画にある「こういう恋愛っていいなぁ」とか、主人公に感情移入するという前提さえ持たなければ、終始楽しめる作品だと思います。軽い気持ちで読むラブコメだと思えば、そこまで酷評されることもないのかなぁと。

まぁ「憧れを持てない」「感情移入できない」という少女漫画に価値があるかって部分についてはさておき、数多くある恋愛のカタチに一石を投じるという意味では、もっと評価されてもいい作品です。私自身の率直な感想としては、結末云々よりも「最初のコミカルな雰囲気に終始徹してくれた方が、最後の最後まで楽しめたのかなぁ」って部分は否めません。

 

最後に

特定の相手がいながらも「今まで好き好き言ってくれていた人が、急にいなくなってしまう」ということに対して、寂しいと感じるのかどうかって部分も大きく評価が分かれる部分だと思います。言葉を選ばずに書くなら「キープ」についてどう思うかって部分ですね。

恋愛モノとしてではなく、ラブコメとしての『ヒロイン失格』(特に前半部分)については、メチャクチャ面白く仕上がっていると思うので、興味のある人はぜひ読んでみてください。全10巻、完結済みです。