内村航平も影響を受けた体操漫画「ガンバ!Fly High」を紹介

私が幼少の頃にアニメ放映もされていた「ガンバ!Fly High」という漫画があります(アニメは「ガンバリスト!駿」というタイトルでした)。原作が元日本代表で金メダリストの森末慎二さんで、漫画としては数少ない体操という競技にスポットを当てたスポーツ漫画です。

当時はあまり体操のルール等もわからないままアニメを読んだりマンガを読んだりしていましたが、大人になった今読み直してみると多くの発見ができたり、より楽しむことができるマンガだと思いました。しかもこのマンガは内村航平選手(リオ五輪にて個人・団体総合優勝)も大きな影響を受けた作品だと語っています。そこで今回は体操王国日本の復活とともに読んでおきたい体操漫画「ガンバ!Fly High(全34巻)」のご紹介です。

目次

ガンバ!Fly Highを楽しむポイント

体操の初心者がオリンピックを目指す

初めての団体戦

コミックス 第1巻

体操初心者である主人公・藤巻駿が「オリンピックの金メダルを取りたいんです!」と高らかに叫んで体育館に姿を現すところから物語は始まります。そしてその翌日、体操の「た」の字も知らないような状態で大会に出場させられ多くの伝説(?)を残すという流れです。

「ルールも知らない人間を数合わせとは言え出場させるなんて、なんて無茶苦茶なマンガなんだ…」というスタートを切るんですよね。自分のことのように読んでしまうと心から同情してしまうこと間違いなし。まだ球技とかならいいですけど、採点系の競技は本当にキツイですよ…。

初めての鉄棒

コミックス 第1巻

いや、普通にこうなるでしょ(笑)。体操競技で使用する鉄棒を実際に見たことはありませんが、高さは280cmなんだそうです。K-1王者のセーム・シュルト選手より大きいですね。そこで藤巻は補助の力を借りてぶら下がったのち「逆上がりでも何でもいいから演技して!」と言われてしまいます。しかもそれを言ってきたのがまさかのキャプテンですからね。

なんか気の毒すぎて笑えない状況って言うんでしょうか。今後の物語を盛り上げるための過剰演出なんでしょうけど…。1回もやったことがないという状況で、こんなに大きい鉄棒にぶら下がってからの逆上がりはまず無理だと思います。というか、たぶん懸垂も難しいですよね。

初めての床

コミックス 第1巻

ここは本格的なことはできないまでも体育の授業で器械体操を経験していれば、まぁそれなりのことはできそうですが残念ながら伝説の完成です。ここは素直に笑いました。当時、小学生ながらにマネしてやって先生に怒られた記憶があります。それくらいインパクトのあるバランスでした。全国の小学生がこぞってマネしたのではないでしょうか。

ここでも「バランスは3秒以内」などのルール説明があったりして、楽しみながら体操の基本的な部分を勉強できるというのも嬉しいポイントと言えるでしょう。

初めての跳馬

コミックス 第1巻

これも「フツーの開脚跳びでいいから」なんて言われてますけど結構しんどくないですか?跳び箱より細いし長いし、全然別物のような気がするんですけど。これを読んでいると小学生や中学生の頃の体育の授業を思い出します。跳び箱とか懐かしいなぁ。

跳馬も実物は見たことがありませんが高さが120cmで長さが160cmなんだそうです。…160cmの跳び箱って考えたらキツいでしょ。テレビで体操を見ていても何も思わなかったけど、本作を読んだ後に跳馬を見ると「よく見たらとんでもない動きしてんなぁ…」って思わされるはず。

初めての倒立

コミックス 第1巻

個人的には「ずっと逆立ちしていられる人ってすごいなぁ」と思っていたのですが、そもそも逆立ちと倒立ってまったく別物なんだそうです。いつものように「肩入れしろ!」とか無茶難題のような専門用語を言われますが、その都度詳しい解説が入るので楽しく読み進められるでしょう。

随所にこういった解説ポイントがあるというのは素直に嬉しいですね。技の説明や採点の説明など広くカバーしてくれています。私はもう「実際にやってみよう!」と思えるような年齢ではなくなってしまいましたが、テレビでオリンピックなどを見る際に勉強になるような解説も沢山あるので体操に興味が出るマンガです。

多くの(ありきたりな)試練

キャプテンの退部

コミックス 第3巻

相場としては主人公がキャプテンである場合が多いので、実際には後輩や同級生などの仲間を説得するというパターンが多いように思えますがこのマンガでは違います。最初の団体戦でオールラウンダーとも思える活躍を見せたキャプテンが、あることをキッカケに体操部を辞めると言い出すんですよね。まぁスポーツ漫画においては必要なシーンというかよく見る光景と言えるでしょう。

結末には2パターン。「やはり俺は体操が好きだ・・・」という感動の復帰パターンと、悩みながらも意地が勝って「俺の夢はお前たちが叶えてくれよな」というパターン。本作は、果たしてどちらでしょうか。あ、もう1つ。殴り込みに来て、散々荒らした末の「体操がしたいです」ってパターンもありますね。

学校を辞める

コミックス 第19巻

この手のマンガでは部活という枠を超えたウルトラE(退学)という選択肢をチラつかせる部員が出てきたりすることも珍しくありません。主な理由としては家庭の事情であることが多いですが、中には「イヤミな他校の連中と問題を起こしてしまい、退学を迫られる」というパターンも。

どんな理由であれ「体操が好きで仕方のない人間」が大好きな体操を辞めることを宣言している以上、その覚悟は相当なものでしょう。藤巻を中心とする他の部員たちの取った行動には心が震えること間違いないです。「あぁ、スポーツっていいなぁ」って思いますよ、間違いなく。

部の存続危機

コミックス 第5巻

これも鉄板ですね。なぜか主人公が入った瞬間に部の存続に危機が訪れるという瞬間。スポーツ漫画にはかなりの高確率で見られる現象です。大体、主人公が入部する前から怪しかったのに、なぜか4月を過ぎてから動き出す学校側に悪意を感じずにはいられません。せめて3月の段階で廃部にしてくれてたら無駄に悲しむ新入部員が減らせたでしょうに…。

そして「次の大会で好成績を収める」ということを条件にされたりするわけですが、上記の画像にもあるように「9.5以上が出れば体操部は残る!!」って言ってますけど、それって「ここで場外ホームランが打てたら野球部は残る!!」とか「100メートルで10秒切ったら陸上部は残る!!」とか、そういうレベルの話ではないんでしょうか。…たぶん、冷静に考えちゃダメですね。

仲間の転校

コミックス 第4巻

ここもスポーツ漫画に限らず、学校モノにおいては押さえておきたい部分です。全員が揃ってる最後の大会で有終の美を飾るという黄金パターン。それもほとんどが大会の真っ只中に新幹線やら飛行機の時間がくるんですよね。もうちょっと遅めのチケットにしてくれたらいいのに。

最後に間に合うか間に合わないか…。ギリギリのタイミングでなんとか到着するものの、新幹線は行ってしまった直後で肩を落として帰ろうとしたらなぜか転校生がいるとかいないとか。

恋愛バトル

コミックス 第17巻

こういう要素も必要なんでしょうね。ちょっとしたヤキモチみたいなものからギクシャクしてしまう関係って言うんでしょうか。主人公の藤巻駿を取り合ってるとしてオリンピックを目指す体操選手なら、これくらい多くの人間(女の子)を魅了できないと審査員を魅了することなんて難しいということでしょう。

思えば体操の選手って何となくイケメンが多いような気がしません?内村選手めっちゃカッコイイですし。個人的には白井さんのピュアそうな感じが好きですけど。

選手たちの成長が面白い体操マンガ

コミックス 第12巻

具体的な技の難易度は経験者でないとわからないかもしれませんが、なんとなくでも徐々に技の難易度が上がっているのがわかりますし、何よりも主人公が体操選手として成長していく様子が見られるマンガです。

よく「ゴールを突き破るシュート」や「バットをかいくぐる魔球」など、スポーツ漫画における一種の過剰な演出については好き嫌いが分かれる部分だと思います。私は体操というものを部活動などでは見たことがなく、テレビでのオリンピックや世界選手権でしか見たことがありません。そのため中学生~高校生の体操としてのレベルが適正なのか過剰演出なのかの判断はできませんが、過剰だったとしても普通に受け入れられるレベルではないかと思います。

体操の面白さ

コミックス 第16巻

体操の技には人の名前が付くことがありますよね?星や恐竜なんかもそうですが、体操では最初にその技を作った人の名前が付くみたいです。日本人で言えば森末慎二さんやリオ五輪でも活躍した白井健三さんの名前が付いた技が有名ではないでしょうか。素人目に見てすごいということしかわかりませんけど。

2回ひねりなんだか2回半ひねりなんだかよくわからずに見ていますが夢中になって見てしまいます。個人的には「技の美しさを競う競技」というのは素人が見ても優劣がわかりにくく、あまり好きではありませんでした。しかし着地の仕方やブレの無さなど見て、理解できる部分が増えてくると非常に面白いものなんですよね。このマンガを通じて体操の基礎基本を知ることで体操競技をより楽しめると思います。

最後に

数少ない体操のマンガということで今回も五輪を前に読み返してみました。五輪が近くなると読みたくなる漫画ナンバーワンと言っても過言ではありません。内村選手が憧れたといわれている藤巻駿の物語、興味がある方は是非とも手に取ってみてください。

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